2015年09月29日

審査員研修会2015がありました(その3)

もう9月が終わる。
今月開かれた審査員研修会2015のまとめが終わっていなかったので
少しずつ書き溜めていたものをアップします。

今日は、昇段審査の基準について
(今日も少し長いよ・・)

全日本剣道連盟は、剣道の理念を
「剣の理法の修練による人間形成の道」とし、
その「剣の理法」の修練の成果を明確にする手段として「試合」があり、
そのような修練の奨励や向上に資する目的として「段位制度」を置いています。

まず、試合の話です。
剣道の試合にはルールが定められていますので
剣道も現代のスポーツ競技のひとつに分類されます。
(「武道!」という議論は、横に置いといてください。)
そして
世界中のスポーツの試合は
記録、採点、判定といった方法のどれかによって
競技の決着がつけられています。
その中で、剣道の試合は、
「芸道文化としての継承性の面からみて、
完全な競技化はできないことを前提として競技化している判定競技である。」(by 作道)
とされています。

では、
その試合では何を判定しているか 
「有効打突」の有無です。
有功打突(剣道試合・審判規則第12条)の条件は
皆さんがご存知の
「充実した気勢、適正な姿勢をもって、
竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、
残心あるもの」
という条件であって
有効打突の条件は「理合」の部分と「残心」の部分で成り立っています。

この「理合」の内容は
「要素」と「要件」から整理されていて
要素には、
間合・機会・体さばき・手のうちの作用・強さと冴えがあります。
要件には、
姿勢・気勢(発声)・打突部位・竹刀の打突部・刃筋があります。

「残心」は、
打突後の「身構え」と「気構え」の二面があるとされています。

一方、
(次、審査の話です)
昇段審査の場合は、何を判定しているか・・
「合否」です。
「合否」が判定されます。
合格かどうかを審査員は評価して判定しなければなりませんから
合格と不合格の境界を見積もるための「ものさし」が必要です。
この「ものさし」の目盛に相当するのが
段位審査の「付与基準」です。

審査は、
称号段位審査規則及び細則に基づいて行われていますので
その第14条に「付与基準」が示されています。
(この基準のなんとわかりにくいこと)
例えば、初段は
「剣道の基本を修習し、技倆(ぎりょう)良なるもの」
という「ものさしの目盛」があって
この目盛はこれだけでは読めないので
目盛の読み方を教えてもらう必要があります。
教えてくれている部分が審査上の「着眼点」です。

「段位審査実施要領」の中の「段位審査の方法」に
この着眼点の項目が示されています。
この着眼点が「ものさし」の「目盛」の読み方になります。

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初段ないし三段は
@正しい着装と礼法
A適正な姿勢
B基本に則した打突
C充実した気勢
で読み取ります。
4段および5段では、上記に加えて
D応用技の熟練度
E鍛錬度
F勝負の歩合
も読み取らなければなりません。
さらに、6段以上では
G理合       
H風格・品位
も読み取られます。

番号順に
重視されているのもが挙げられていると考えてよいと思います。

すると
誤解を恐れずに大まかに表現すると
初段から三段は
「見栄え」
4段と5段は
見栄えに加えて
業が実用的なレベルで用いることができるか
6段以上は
使いこなしたいぶし銀のような年期による
業の合理性(理合)
立ち振る舞いの風格や品位
が求められているということができます。

そして
短い審査時間を通して
技を起こすまでの運動経過の「質」と年期が問われているので
「質」が良ければ
極端な場合は
有効打突がなくても合格することもあるということです。
また
@正しい着装と礼法
ができていなければ
どれほど強くたって
いっぱつで不合格にして構わないということになります。

以上のように整理してみると
剣道昇段審査の審査員には
「審美眼」
が必要といえるでしょう。

ちなみに
日本の教育評価専門研究者の間では、
「きじゅん」は、
英語としては‘criterion’に「規準」を、
‘standard’に「基準」を充て、
教育界では
「のりじゅん」「もとじゅん」と読んで区別しています。

「広辞苑」では(「広辞苑第六版」2008年1月、岩波書店)。
「基準」:ものごとの基礎となる標準。比較して考えるためのよりどころ。
「―を設ける」「―を上まわる出来」「建築―」。
「規準」:「規」はコンパス、「準」は水準器の意) @規範・標準とするもの。
A [哲] (criterion)信仰・思惟・評価・行為などの則るべき手本・規則。規範。
であり

「評価規準と評価基準」(『教育評価事典』図書文化社、2006年6月、80頁)によると
「普通、評価を行うためには、
テスト得点や作品を比較したり、
照合したりするための何らかの枠組(判断のよりどころ) が必要である。
「評価規準」とか「評価基準」というのは
この照合の枠組(frame of reference) のことである。
評価の照合の枠組には
「何を評価するのか」という質的な判断の根拠と、
「どの程度であるか」という量的な判断の根拠の2つが必要である。
前者の質的な照合の枠組としては、
教育目標を評価目的の文脈に従って具体化した目標や行動を用いるが、
これを「評価規準(criterion)」という。
それに対して、
後者の量的・尺度的な判定解釈の根拠を「評価基準(standard)」という。
[中略]
語義としては、評価の枠組として、
質的な「評価規準」と量的な「評価基準」の2つを区別しておく必要があるが、
実際の評価は両者が一体的になされるので、
両者を含む概念として評価規準が用いられることもある。」
とされています。

剣道の審査の「きじゅん」では「もとじゅん」が使われています。

長い割には
まとまりのない終わり方になってしまいました。
審査員研修会2015の備忘ということでお許しください。
posted by カン at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 剣道覚書

2015年09月28日

上越少年剣道錬成会と上越少年剣道大会2015を主管しました

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上越少年剣道錬成会と上越少年剣道大会2015を主管しました
一年前から準備をしていた行事が無事終わりました。
ふゥ・・・
会場準備:平成27年9月21日
保護者後援会(高田と吉川剣道教室の合同です)の絶大なご協力のお蔭です。
ありがとうございました。

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上越少年剣道錬成会 :平成27年9月22日
団体戦の錬成です。
小学生と中学生で500名超が参加です。
特に県外の強豪チームの試合っぷりは勉強になります。

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第81回 上越少年剣道大会
平成27年9月23日
上越市剣道連盟が主催する少年大会ですが
高田修道館が主管してます。
私は審判長。
昨年は腰からくる神経痛がひどくて歩けなくなって
全然役に立ちませんでしたが
今年は錬成会と大会の全日程を務めることができました。
指導部の交歓稽古会も懇親会も無事参加。
県外の色々な先生と交流を深めることができ
意義深いシルバーウイークになりました。

この大会、
小学生各学年、中学生男女、高校生男女の各部門で個人戦を行う大会です。
全部門で県外の有名道場が上位入賞を決める中、
唯一、
中学女子個人戦で高田修道館のシズカ嬢が優勝を死守してくれました。
ありがとうね・・・

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幼き日のシズカ嬢
今はデカいよ・・

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今年の参加賞。好評でした。

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懇親会も絶好調

ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
これからも精進していきたいと思います。
posted by カン at 13:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

中山博道旗争奪剣道大会2015がありました

今年のシルバーウイーク、剣道行事が満載でした。
まず

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第62回 中山博道旗争奪剣道大会
日時:9月20日(日)
会場:燕市分水体育館
私は審判員で参加しました。

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試合結果 小学生団体:高田修道館A 準優勝

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6年生チーム(篠原・竹原・高嶋・山本・高島)
県内ではかなりの確率で勝つことができるようになりました。
次は全国区のチームと競り合えることが課題です。
もうひと頑張り!

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アップ会場は早朝から大変な熱気

 
posted by カン at 13:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年09月18日

審査員研修会2015がありました(その2)

先日の審査委員研修会では
剣道試合の審判に際しての反則事項の見極めについて
色々と共通理解がはかられました。

小学生、中学生、高校生の学校種によっては
それぞれに申し合わせ事項やグランドルールが適用されていますが
大学剣道における審判会議での了解事項は以下のようになっています。

少し長いよ。

1 礼法
選手が開始の立礼から終了の立礼までの正しい礼法を行わない場合には指導する。

2 名札    
(1)大学名及び個人名を記入した正規の名札を着用しない選手は出場できない。
(2)同一大学からの出場選手に同姓者がいる場合は、
苗字の右下に名前の一字を入れ、区別できなければ出場できない。
尚、上記に該当する選手が発覚した場合は、
不正用具使用者として扱い、負けとし、相手に2本を与え、
既得本数および既得権を認めない。
 
3 有効打突  
打突後の残心(身構え、気構え)もしっかりと確認した上で有効打突を判定する。
打突後不適切な行為があった場合は合議の上、有効打突を取消す。

4 反則   
正当か不当か、行為の原因と結果を正しく見極め、
「公明正大」の観点で厳格に判断する。
(1)鍔競り合い
@「正しい鍔競りをしようとしているか、技を出そうとしているか、分かれようとしているか」
の3点をよく見極める。
不当な鍔競り合い(時間の空費・専守防衛的行為等)には、
合議の上で反則を適用し、再発を防止する。
A鍔競合いの解消は、原則、剣先が離れたところまでとするが、両者が五分の状態で分かれ次の展開に進んだ場合これに該当しない。      
B分かれ際の胸突きにより相手を引かせる行為は、至る原因も見極めた上で反則とする。
C安易に「分かれ」をかけない。
適正なつば競り合いで膠着した状態にあるかを見極めた上で「分かれ」をかける。 
(2)時間の空費
1本取得後に、時間空費を目的としてつば競り合いに入っていく行為
(左拳を上げた中段変形した構えなど)を見逃さない。        
(3)場外
身体接触後の場外は出た方を反則にするケースが多く見られるが、
不当な押出し、突き出しによる場外であるかどうかをよく見極める。
(原則として1打突1押し)
(4)不当な中止要請
中止要請については必ずその理由を問う。
正当性が疑わしい場合には合議の上、「公明正大」の観点で厳しく判断する。
(5)竹刀落としを目的とした行為
竹刀落としを目的に
強く叩く、鍔競り合いから竹刀をはねあげるなどの見苦しい行為に対しては、
第一条に照らし、行為を行った側を反則とする。
(6)その他不当な行為
@手で打突部位を隠す行為
A打突意志のない防御一辺倒の行為
B中段の三所隠しと同じく、上段においても見苦しい行為

5 合議 
(1)「止め」で双方の選手が開始線に戻ったところで、「合議」を宣告する。
(2)主審は双方の選手を境界線の内側で正座または蹲踞をさせた上で、
その後に試合場中央に進み合議に入る。副審が先に動いてはいけない。
(3)反則内容によっては主審の判断により選手に伝える。
(4)合議の後、主審のみが表示をし、宣告する。副審は表示をしない。

6 旗の表示  
審判員の有効打突の表示に対して、他の審判員も必ず表示を行う。
二人もしくは一人の審判員の表示がない場合は、
試合を中止し合議にて相互の表示を確認する。
主審が見逃している場合には審判主任が直ちに試合を止めて三人の表示の確認を求める。


7 位置取り  
(1)主審を頂点にして、試合者双方の手元の位置を通して二等辺三角形を保持する。
上段の試合者に対する位置取りに注意する。
(2)試合者と他の審判員の動き、流れを先取りして無駄のない動きをする。
(3)主審が素早く動き、常に試合者の中心を維持することにより副審も動きやすくなる。
副審も最短距離で移動する。 

8 その他
審判内容の検討    
各組が最初の審判を終えたごとに、審判主任を交え内容の検討を図る。 

そして、
「鍔競り合い」に関する審判の留意事項
1. 鳄競り合いが頻発する、あるいは長びく原因について
審判員は不適正性の僅かな差を厳しく見極めて
合議の後反則の宣告は必ず片方の選手に与える。

2、以下の諸点に特に留意する。(審判員は僅差であっても見逃さない)
(1)鳄競り合いの第一の要件は“鍔と鍔とが接する”ことであり、
その為には竹刀は 右傾前方に傾けられていなければならない。
直立していたり、剣先が自分のほうに傾むいていれば反則の対象となる。
(2)右手•右足を前にする剣道の対人的対応では、
裏鎬の側で交叉する(逆交叉)のは 適正、妥当な様相ではない。
瞬間的に逆交叉になることはあり得るものの、
直後には正当な表鎬側での交叉に直さなければならない。
故意に逆交叉した者、あるいは
右こぶしを体の中心より左側において鍔競り合いをする者は反則の対象となる。
(3)妥当な鳄競り合いは、相互に鍔元で相当の圧力をかけ合って競り合っていなければならない。
相手の力を故意に吸収して体を密着させる行為は反則の対象となる。3、
最も接近した間合い(鍔競り合い)からの引き技は、
相手の態勢を崩す
瞬時に間合いが切れるまでとびさがる技術
が伴っていなければならない。
中途半端な見せかけの引き技を発して、打突の意志ありと表現するのみでは、
鍔競り状態が長引くことになる。
審判員は両者の行動を見極めて、片方の反則を判断する。

4、鳄競り合い状態を解消するためには、
1)相手の態勢を崩すと同時に、
2)自らも潔く瞬時にとびさがって遠間をとる技術
が発揮されなければならない。
相手にも退くよう促して徐々に間を切ろうとする行為や、
中間から再び接近する行為は、鳄競り合いを長びかせる原因となる。
瞬時に分かれようとしない者は反則の対象となる。
審判員は両者の行動を見極めて、片方の反則を判断する。

となっています。

最後に
「不当な鍔競り合い」という表現を「試合・審判規則」では使っているのですが
「不当」と「不正」と「不法」と「違法」の違いは

「不当」は、必ずしも法(:試合・審判規則)に違反することではないが、妥当性を欠いていること。
「不正」は、正しくないこと。法(:試合・審判規則)の違反に限らず、義務違反等の場合にも使われる。 (「不正『竹刀』」、「規格外『竹刀』」)
「不法」は、実質的に法(:試合・審判規則)に反していること。
「違法」とは、言葉のとおり、法(:試合・審判規則)に違反すること。

となります。

posted by カン at 08:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 剣道覚書

2015年09月17日

審査員研修会2015がありました

新潟県剣道連盟では、
審査会や大会審判をお手伝いするための審査員制度を置いています。
その審査員研修会がありました。

特に面白い話や感動的な話があったわけではありませんが
審査員になった先生方のご苦労をお聞きすることができ、
また、活発な意見交換があった意義深い一日でした。

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日時:平成27年9月13日(日)10:00〜16:30
会場:三条市文化センター
議題
1.昇段審査会
・実施状況と総括
・今後の課題と確認事項(審査方法、審査の観点)
2.審判講習会
・実施状況と総括
・今後の課題と確認事項(開催時期、認定審査、未更新者)
3.各大会における審判について
・実施状況と総括
・審判長、審判主任の位置づけ
実技
1.日本剣道形
・入退場と刀の取扱い
・実施上の要点
2.木刀による剣道基本技稽古法
・実施上の要点
3.審判法
・全剣連重点事項
・有効打突と旗の表示
・反則行為の見極め
・服装および所作事

審査の観点としては
初段、二段は
切り返しや発声、基本動作の習得度で審査を行い
3段以上は、それに加えて
臨機応変な応用度と錬度、歩合で審査をする
ということが共通理解されました。
このような審査基準の問題については
後日、アップします。

また、剣道形の審査では
審査員3名で5組み同時の審査を担当し
間違えた際のやり直しは全体を通じて1回のみ認め
受験者が所作等を間違っていても個人的な指導を行わない
という留意事項が確認されました。

審判要領については
全剣連中央研修会における重点事項の伝達が中心でしたが
特に、反則事項の見極めについて活発な意見交換がなされました。
これに関して、
学生剣道連盟の反則事項の見極めに関する了解事項も
後日、アップするつもりです。

最後は
稽古・・・
15:50〜16:50 の予定だぁ
と聞いていたので
「よしッ!」と思っていたら
誰かが「昇段審査では、切り返しの時に体当たりをするのか?」
などと質問したもんだから
それだけの質問で20分も紛糾し
しかも、やっと稽古が始まったと思ったら
16:30に誰かが「稽古終了〜!!!!」
などと号令かけたもんだから
稽古はたったの15分で終了し、
お二人しか稽古することができませんでした。
ぷんぷん・・
posted by カン at 17:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年09月14日

北信越地区合同稽古会2015がありました

日時:平成27年9月12日(土)13:30〜15:30
会場:上越市カルチャーセンター

正式名称は、
全日本剣道連盟主催(北信越地区)合同稽古会です。

北信越地区における剣道の普及発展のため
北信越地区を持ち回りで、年間に3回ほど開催されます。
この日の参加者は約60名。

北信越地区の8段者は現在11名ですが
この日は
山本範士(富山)、山下教士(石川)、佐藤、渡邊、白井、山田教士(新潟)
がお出でになりました。

約15分の基本稽古
150秒×10回の参加者廻り稽古
指導稽古
といった内容で、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。

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基本稽古は大切です。
足を継がない一拍子の面打ちでバランスを崩す方が散見されました。
同段位者の廻り稽古では、奇妙な分争いをしないことが大切です。
待って小手や胴、迂回して面といったお相手にお願いすると、
切ない思いになります。
指導稽古の時間は、要領よく並んだり、待っている間に互角稽古することが大切です。
列後方に並んだだけで、1本も稽古せずに終わった方が随分おられたような印象でした。
もったいないことです・・・

この日の山田教士、山下教士、山本範士による
印象に残ったご指導をいくつか挙げると
・一本に対する本気度
・縁を切らない「半足の先」
・一足一刀での空間密度と一拍子の打ち
・礼法の充実
・三角矩(さんかくく)
・攻め込みと面、その時の左腰
といった点だったでしょうか。
後は忘れちゃいました・・

個別指導としては、佐藤(伸)教士に
長〜い時間、
「身の寄せ」の大事についてご教示いただきました。
「先」・「乗り」・「身の寄せ」・「余裕をもった予測と反射」
といったことでしょうか。

遠い間合いから
大きな開脚動作によるダイナミックな跳びこみ面の実用化を稽古しているのですが
一足一刀からの「身の寄せ」が加わると、剣道に緩急が出るかもしれない
な〜んて思ったりもしました。

稽古の工夫は楽しいものです。
posted by カン at 17:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 剣道覚書

2015年09月11日

私のようなオッサンの反省2015

なるほどなぁ・・と思ったので備忘します。
そこいらにいる中学生レベルの言動を行ってきた私のようなオッサンには
耳の痛い話でした。

「知的」ということについてです。

この人は「知的」だな、とか「知性的」だなって判断するとき
どんなモノサシが使われているのかというお話です。

例えば学歴や職業や言動といったものがモノサシになっている場合もありますが、
ある方はこのように話したそうです。

「少なくとも私が(「知的」を)判断をするときは、五つの態度を見ています」
ということです。

一つ目は、異なる意見に対する態度
知的な人は異なる意見を尊重するが、
そうでない人は異なる意見を「自分への攻撃」とみなす

二つ目は、自分の知らないことに対する態度
知的な人は、わからないことがあることを喜び、怖れない。
また、それについて学ぼうする。
そうでない人はわからないことがあることを恥だと思う。
その結果、それを隠し学ばない

三つ目は、人に物を教えるときの態度
知的な人は、
教えるためには自分に「教える力」がなくてはいけない、と思っている。
そうでない人は、
教えるためには相手に「理解する力」がなくてはいけない、と思っている

四つ目は、知識に関する態度
知的な人は、損得抜きに知識を尊重する。
そうでない人は、
「何のために知識を得るのか」がはっきりしなければ知識を得ようとしない上、
役に立たない知識を蔑視する

五つ目は、人を批判するときの態度
知的な人は、「相手の持っている知恵を高めるための批判」をする。
そうでない人は、
「相手の持っている知恵を貶めるための批判」をする。

知的である、というのは頭脳が明晰であるかどうか、
という話ではなく、
自分自身の弱さとどれだけ向き合えるか、という話であり、
大変な忍耐と冷静さを必要とするものなのだ、と思う。

とありました。(http://blog.tinect.jp/?p=16095

この記述は、主に「仕事」や「働き方」を啓蒙するために書かれたブログで
そのことを考慮しても
私のような立場のオッサンには
大切な心がけになるのではと感じました。

posted by カン at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 覚えておきたい言葉

2015年09月09日

高田修道館の指導方針について2015

今から11年前に、高田修道館の指導方針について
保護者会へ文書で周知したことがあった。

あれから10年も経つと
保護者は全て(?)入れ替わり
過去の暗黙の了解や色々な申し送りもあいまいになってきたようだ。

そんなことも感じているので
その当時の文書をここに備忘することにします。

このブログの読者で
高田修道館以外の人にとっては別に面白くもないので
読まなくていいよ。
長いしね・・

では


高田修道館 保護者様 各位
「指導方針について思うこと」平成16年6月 館長

子ども達の剣道を始めた動機は様々でしょうが、
多くの保護者の方は、
お子さん達の心身の
健やかな発育を願って剣道を勧められたことと推察いたします。
同様に、高田修道館でも
お子さん達が剣道を通じて
強い心と健康な体が鍛えられることを願っています。
近年の学校教育では、
子ども達を「鍛える」という視点に対して消極的な傾向がみられることから、
一層このような思いを強くします。

一方、
剣道がある程度上手になってくると、
お子さんの中に試合に出場したいという希望も芽生え、
試合がある以上、
指導部としては
普段の努力の結果としての勝利を経験させたいのも事実です。
試合において「勝つ」ためには
試合ルールの理解や試合のための戦術を学ぶことも必要になります。
子ども達の心身を律する修養としての剣道と、
スポーツ活動としての剣道。
ここに指導部の少年剣道の指導におけるつらい現実があります。
また、お子さん達には個人差が大きいこと
(体の大きさ、紐を結ぶといった器用さ、話を理解する能力、親離れの程度)
剣道を始めた動機が様々であること、
一斉指導の中で剣道を学習していくためには
社会性や協調性がある程度必要であることから、
それらが道場の中で育つまで我慢強く待つ必要もあります。
これは、子ども達、保護者、指導部の我慢比べです。

今までに剣道を辞めてしまったお子さんでは、
子ども同士、親同士、指導部とのコミュニケーションが上手くいかなかった場合、
他のお子さんと比べて上達に時間がかかり本人や保護者が辛くなった場合、
試合にいつも負ける場合、
選手に選ばれる可能性がないと子どもや保護者が考えた場合
が記憶にあります。
しかし、大切なことは(子どもも保護者も)、
共通の目的を持って集まった仲間と仲良くする
正しい礼儀作法(といった社会性)、
大きな声(自己解放、ストレス発散)、
休まない・逃げない(克己心)、
学校の宿題を済ませてから道場にくる(責任)
といったことになります。
入門時の初心を忘れないよう、ご家庭でもご協力をお願いします。
しかし、高田修道館はスタッフ協力者が豊富であり、
県内でも恵まれた指導環境であることから、
現在では段階的な指導方針でなんとかこれらの悩みを解決出来ないかと考えています。

「指導方針」
1.「礼」・「正座」・「黙想」
剣道は竹刀で相手を叩くという行為であるために、
特に思いやりの心と礼儀を重んじなければなりません。
そのため、剣道の入門時に最初に習うことが、
道場やお互いの「礼」、
相手と正しく向かい合うための「正座」、
心を新たにするための「黙想」なのです。
2.入門初期あるいは、低学年から中学年にかけて
道場に来る習慣(稽古が出来ないときは見学する)をつけることです。
技術的には
「剣道みたいなこと」
のレベルでよいのです。
礼法、足さばき、基本の面打ちと切り返しが中心になります。
3.中学年あるいは経験年数3年程度
この段階になると道場へ行くことが習慣的になってきますが、
前述した、
上達に時間がかかり本人や保護者が辛くなる場合(他のお子さんと比べる)、
試合にいつも負けることが子どもや保護者に受け入れられない場合、
選手に選ばれる可能性がないと考えた場合などが弊害になってきます。
ここを乗り越えて欲しいと願っています。
道場における「楽しさ」について指導部ももっと工夫する必要を感じています。
ちなみに、私の場合(小学校4年当時)、稽古は旧態依然で辛くて嫌いだったけど、
師範の先生のことが大好きで先生に褒めて欲しくて道場に行きました。
小学校にもそんな先生が増えると不登校が減るかもしれませんね。
剣道を辞めるお子さんがいるたびに、自己責任を感じます。
この年齢では技術的には、連続技、応じ技の習得を目指します。
また、中学年で入門した場合は、
上達の程度に応じて、中学年レベルの技術段階に早く進めるよう配慮します。
4.高学年
ここまで続けば、へっちゃらです。
体の大小に関わらず、学校の中でも逞しい部類でしょう。
しかし、剣道が上手になった分、
友達と仲良くすること、年下の面倒を見ることを改めて教える必要があります。
今の6年生にはそろそろ厳しく指導しなければいけないと考えています。
技術的には、
応用技(互角稽古の技能)、稽古の結果としての試合が課題になります。
5.その他
現在の稽古時間は休息を含めて1時間半、
居残り稽古を含めると2時間のお子さんもいます。
かつては1時間の稽古でしたが、
物足りないのか居残り稽古を希望する子どもが多く、
2年前に1時間半に延長いたしました。
初心者の方には大変かもしれませんが(すぐ慣れます)、頑張って下さい。
高学年はさらに居残り稽古をしなければ満足しないのか、
辞めさせなければいつまでも稽古しています。
きっと、家に帰って勉強するよりよいのでしょう。

色々書きましたが、
最終的には
道場の中での立ち振る舞いや礼、挨拶「御願いします、ありがとうございました」が
家庭や学校生活でも出来るようになること、規律正しい生活が出来ることが最終目標です
(これが試合に勝つよりも難しい)。
お子さん達のため、家庭の応援とご協力をお願いします。

以上

最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。


posted by カン at 10:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 覚えておきたい言葉