2015年10月22日

審査員研修会2015がありました(その5)

「審査員研修会がありました2015」に関する覚書は今日でお終い。
剣道昇段審査に関して
審査員の寸評を「剣窓」から備忘します。

月刊「剣窓」410, pp.25-28, 2015
審査会寸評より

まず、真砂威範士は
(前略)・・、最近の審査の傾向として
「正しい着装と礼法」と「適正な姿勢」については、
申し分ない方が多いように見受けられます。
一方、
「基本に即した打突」においては様々な難点が目につきます。
ぜひ、根本的に日頃の稽古から見直していただきたいものです。
その着眼点で、ただ一つネックとなっているのが「勝負の歩合」です。
この、勝負の歩合を重視過ぎると、
いきおいなりふり構わぬやり取りに陥ってしまうからです。
日ごろ負けん気の勝負稽古に終始している人が、
審査の時だけ「基本に即し・・・」と取り繕っても、
いかんせん付け焼刃、
かえって動作にぎくしゃく感が生じ、
審査員には「練熟度」に欠ける、と映るものです。
そのような状況下で、
力みだって放たれた面技など上体が不安定で、
しかも打ち抜けが冗長とくれば、
これまた「鍛錬度」が低いと評価されて然るべしであります。
もちろん、勝負の歩合も大事な着眼点の一つではありますが、
敢えて着眼点の最後尾に揚げてある意味合いを斟酌していただきたいと願うものです。
さらに、6段以上には、「理合」「風格・品位」といった
曰く言い難し、高度な要素が求められます。
間合いを重視した攻め、一触即発の間、真際のタメ。
機会を得た必然の有効打。
そして、それらプロセスの再現性などです。
洗練された趣や味わいも、こういった修練を積み重ねることによって、
自ずと身に備わってくるものと考えます。
・・(後略)・・

次に、末平佑二範士は、
1. 打ち合うより攻め合う
審査は限られた極めて短い時間で行われます。
そのため、打突の前に気力を充実させる、
いわゆる溜めを作れないうちに剣先の攻防もなく打ちに出る、
打ち急ぎの場面が多く見られました。
剣道は打ち合いでなく、攻め合いである
という意識で普段の稽古に努めていただきたいと感じました。
2. 冴えのある打ちを目指して
(前略)・・
体力面からかそれとも応じ技主体の剣風のせいか、手
打ちの技が散見されました。
しっかりとした構え・握りと踏み込み動作から冴えのある打ちが生まれることから、
基本の打ち込みを日々の稽古の中で
少しずつでも継続するよう心掛けていただくことを願っています。
3. 姿勢と心を常に崩さない
歳を重ねるにつれ「体」は衰えていきますが、
「心」と「技」は際限なく発達していくと言われます。
打たれたくないという剣道に固執することなく、
打っても打たれても姿勢や心を崩さない
という意識で稽古されることが、
特に6段・7段審査の着眼点である
@理合、A風格・品位
のある剣道にもつながっていくものと感じました。

以上です。

「間合いを重視した攻め
一触即発の間
真際のタメ
機会を得た必然の有効打
そして、それらプロセスの再現性」

私は稽古上の大きな課題と受け止めました。

posted by カン at 08:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 剣道覚書

2015年10月21日

選手と審判の一瞬の心の創造2015

月刊「剣窓」410, 6, 2015 に載っていました。
非常に味わい深く、興味ある内容だったので
別タイトルをつけて、以下に紹介させていただきます。

このブログでのタイトルは
「選手と審判の一瞬の心の創造2015」
とさせていただきます。

(前略)・・・筆者の疑問となっていた「心を打つ一本とは何か」
あるいは「心力」とはどうやって強めるのか、を考えてきた。
だが、この1年間でまったく予想もしていなかった言葉に出会って、
疑問はますます分からなくなっていた。
それは「人間は脳で考えることはできても、心は脳の中には存在しない。
心は自分の脳と他者の脳の間にある、ないしは間で作られる」
(ロボット工学・石黒浩)
というものである。
いま最も先端的な発言で、ロボットに考えさせることは可能でも、
心を創造することは不可能だと言い表している。
・・(中略)・・
実力伯仲した著名な剣道専門家同士の技量・体力は
筆者や観衆らには想像もつかないが、
試合内容そのものと戦っているのは、実は審判である。
審判の脳と試合者の脳の間に心が作られないと、一本の判定が表現されない。
K選手の出ばな面とM選手の左胴に旗が揃ったのは、
長い葛藤の果ての5者による一瞬の心の創造であろう。
・・(中略)・・
年齢、段位によって、
それぞれ「無心」の試合や立会いを続け、
そして日頃の稽古を重ねることによって、
「心とはなにか」を問う状況を昇華し、
一方で
「守破離」の言葉を念仏のように唱えて、
そのうち
「心とは脳と脳の間にある」
というようなロボット工学者が導いた言葉に行きついて、
結局わけがわからなくなる。
剣道は生身の人間同士で
果てしなくどこまでもやるべきことを
K大会での試合内容、主管連盟の配慮有る運営ぶりから教えていただいた。
(鴨志田恵一 剣窓編集委員)
posted by カン at 09:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 覚えておきたい言葉

2015年10月14日

栃木まで大会に行ってきました2015

この連休は、
体育の日関連で全国的に市民剣道大会が開催されていたようです。
上越でも市民大会剣道の部がありましたが
私と高嶋先生とキクチ君は


12109225_539807686168490_5022746467094650884_n_512.jpg
第33回全国道場対抗剣道大会に行ってきました。
同時開催は
全国道場少年剣道選手権大会ということで
小学生女子の部ではシオリ嬢も出場しました。

12111986_609543852519626_5536542357860405634_n_512.jpg

12107877_609353529206830_8581974309425519445_n_512.jpg
日時:平成27年10月11日(日)
場所:栃木県立県南体育館
結果
個人戦(小学生女子の部)
新潟県代表 高嶋 栞:三回戦惜敗(ベスト16)
判定負け(2-1)だったので、なんだか悔しい・・・

道場対抗
高田修道館
一回戦 3ー1勝ち
二回戦 1ー2負け
この道場対抗戦は、先鋒は小学生、次鋒は中学生、中堅は高校生以上29歳以下
副将は30歳以上、大将は40歳以上で構成する面白い団体戦です。

高田修道館チームは
コ〜タロ〜、ケンタ、菊池、高嶋、直原という布陣です。
高嶋、直原のポジションは10歳超えのちょっと無理した配置でした。
プログラム見たら、私が最年長・・・・
今年は試合の調子も良かったし
気持ちだけは43歳だから
「まぁいいかぁ」なんて感じで挑んでみたけど
お相手は10〜15歳以上も若い人ばかりで
まったく良いところ無しの2敗・・・・・・
なんだか納得いかなくて、
あれ以来、眠れない夜を過ごしています。

一方、上越では
第45回上越市民体育祭
+ 第18回上越剣道選手権大会
がありました。

日時 平成27年10月11日(日)
場所 上越カルチャーセンター
結果 
小学生3・4年の部 優勝:森田悠二朗 3位:亀田柚輝
小学生5・6年の部 優勝:篠原拓夢 三位:北島翔馬

最近の試合で安定した結果を出しているが3人が
この日も活躍したようです。

来月のスポーツ少年団全国予選会が楽しみです。
posted by カン at 17:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年10月04日

粛々と剣道な一日2015

秋、
快晴で、暑くもなく、寒くもなく
結構な稽古日和でした。
10月3日(土)
粛々と朝から大学で稽古しました。

2015.10.3.jpg
子供たち。
吉川剣道教室も参加
9:00〜10:30
この日は中学生を鍛えました。
そのせいか、ケンタが気難しい顔しています。

2015.10.3-2.jpg
大人たち
10:30-12:00
基本稽古・廻り稽古・自由稽古
後列のマルテツは今春入学した大学院生です。
久しぶりに、長い時間(90分)の稽古をしました。
積極的に打ち込みましたが、腰は保ちました。
でも、妖しく痺れています。

午後、
研究室の掃除。剣道着の洗濯。小手修理依頼。
まったりと過ごせた午後でした。

2015.10.3-3.jpg
夜、先般の錬成会と少年剣道大会の準備委員会反省会?
色々な反省点を改善し、
参加者に喜んでいただけるような大会運営を目指したいと思います。

12105732_1648802605366270_3290545319951348987_n_512.jpg
昨年は、高田開府400年記念。
今年は、北陸新幹線開業記念。
さて、来年の冠は?
上越市発足45周年記念かな・・






posted by カン at 09:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年10月03日

審査員研修会2015がありました(その4)

先回の審査員研修会2015にも関係することで
大阪のサトウ8段がとても良いことをFBに記載されていたので紹介します。
受験生にも参考になります。

「昇段審査」
審査は、称号段位審査規則及び細則に基づいて行われています。
しかし、受験者の多くは
「持っていない、内容を見たことがない」と答えられます。
剣道は、活字から勉強することも非常に大事です。
活字から内容を読み取り、
そのイメージを膨らませることが
自分の理想とする剣道に近づいていくのではないでしょうか。
<審査の着眼点>
「当該段位相当の実力があるか否かを審査する」とされています。
しかしそれは
「打った打たれたでない、年齢性別にあった理合」
を審査しているのであり、
”絶対評価プラス相対評価”により審査されています。
絶対評価のみということでしたら、
仮に三段受験者であれば
18歳も70歳も同じ実力でなければならなくなり、
スピードや力であれば若い者に太刀打ちできなくなります。
老齢であっても、
はつらつとした剣道、枯れた技の使いかた。
女性であれば、
身のこなし、技の美しさ、動じない心。など

審査員は、下記の着眼点に基づき
年齢性別と当該受審段位にあった理合を見ているのです。
@正しい着装と礼法
A適正な姿勢
B基本に則した打突
C充実した気勢
D応用技の熟練度
E鍛錬度
F勝負の歩合
ー六段以上ー  
@理合       
A風格・品位
特に風格・品位は、一朝一夕で身につくものではありません。
これは、「気位」とも言い、
鍛錬を積み重ねたことによって得られた自信から生まれる「威風・威力」です。
「有効打突の構成要件」を一本一本の技そして気の緩む事の無きよう
「始まりの礼から終わりの礼まで」「目の詰まった稽古」を心がけてください。

少しの心掛けで
稽古の内容は一変して良くなります。
時間はまだ豊富にあります。
今日の一本の稽古から気迫あふれる理合いにともなったった稽古を心掛けてください。

ということです。
如何でしょうか。
サトウ8段、ありがとうございました。
posted by カン at 12:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 剣道覚書