2016年11月28日

コミュニティの変化2016

館長備忘録 セカンドシーズン(50)

突き抜けることを祈念しています。
そのためには

昨今の剣道コミュニティの変化についても
理解を深めておかないといけないのかもしれません・・

今日は、
昨日の「見取り稽古の低迷化」の後半にあたります。
以下に紹介します。

「インターネットによる剣道の視聴.コミュニケーション空間の変化」
文の筆者は、和田崇先生(県立広島大学)です。
県立広島大学准教授。博士(文学)。 専門は人文地理学,地域マネジメント論。
剣道錬士六段。

(前半略)
インターネッ卜は
剣道活動者相互の新たなコミュニケーション空間としても機能するようになり
ローカルからグローバルまで多様なスケールで
段位や年齢など利用者の立場を超えた水平的コミュニケーションを可能とした。
いくつかの剣道関連サイトでは、
剣道をめぐる様々な情報や意見が交換•共有されるとともに、
そこでの合意•調整を経て
リアル スペースにおいて稽古会が開催されるケースもみられた。
こうした動きは、
剣道活動者の交流の活発化と相互理解の促進を是とする剣道の理念を
具現化したものといえる。
しかし、
インターネットを介した水平的コミュニケーションと
そこから派生した剣道活動者間の交流は、
剣道が基底にもつ階層的構造や上下関係と相容れない実態も垣間みられた。
このように、師弟同行を稽古の基本とし、
道場など閉鎖的な物理空間での
垂直的コミュニケーションを重視してきた剣道界において、
インターネッ卜は
剣道活動者同士のコミュニケーションの空間的範囲を拡大するとともに、
コミュニケーション空間を多層化・多元化させてきた。

ということです。
(著作権は日本武道学会にあります。)

このように
コミュニケーション空間が多層化・多元化されてきたため
最近は、
自分たちだけ良ければ
という「自分たちだけコミュニティ」も散見されるようになりました。

私は

「自分たちだけ」という生き方は

やがて

(自分たちが)滅ぶ

と考えます。

高田修道館の館長としては

師弟同行を稽古の基本とし、
道場という閉鎖的な物理空間で
垂直的コミュニケーションの大事
を引き継いでいきたいと考えています。
posted by カン at 17:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 剣道覚書

2016年11月25日

見取り稽古の低迷化の背景2016

館長備忘録 セカンドシーズン(49)
突き抜けることを祈念しています。

そのためには
見取り稽古だって大切です。

以前、作道範士から頂いた講習会資料の中に
メモ的に
「見取り稽古の低迷化」
「大会会場の巨大化(現象的レベルでの観戦)」
ということが記されていました。

なんだか気にはなっていたのですが
今年の9月に開催された日本武道学会の予稿集の中に
このことかぁ と頷ける論評があったので
以下に紹介します。

内容は、
インターネット上に構築されるサイバースペースが
剣道の新たな視聴空間およびコミュニケーション空間として
いかに機能しているか、
またそれが剣道界にどのような影響を与えているかを考察したものとされています。
文の筆者は、和田崇先生(県立広島大学)です。
県立広島大学准教授。博士(文学)。 専門は人文地理学,地域マネジメント論。
剣道錬士六段。

「インターネットによる剣道の視聴.コミュニケーション空間の変化」
マスメディアに取り上げられる機会の乏しい剣道界において,
インターネッ卜は自前の発信手段とし
2000年頃から積極的に活用されるようになった。
インターネッ卜による新たな視聴空間の創出は,
剣道のコンテンツ化と大会のイベント化を進展させることになり、
視聴者からのまなざしは
勝敗を争う競技性に主に向けられるようになった。
また、試合場から地理的に離れた場所での映像視聴は、
試合者の気勢や試合者間の駆け引きを感じ取りにくく、
目に見える現象面のみをもって剣道を評価する傾向を生じさせた。
(後略)(著作権は日本武道学会にあります。)

こういうことが
「見取り稽古の低迷化」
「大会会場の巨大化による現象的レベルでの観戦」
ということが起きた背景のひとつにあるのかもしれません。
posted by カン at 13:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 剣道覚書

2016年11月24日

「この現状をどのように打破するか」という問い2016秋(2)

館長備忘録 セカンドシーズン(48)

突き抜けることを祈念しています。
そのために
気の充実と中段の「構え力」の確認に取り組みながら
秋の8段審査に行ってきました。

先の10月から11月までは
相変わらず土・日は剣道行事でびっしりでしたが
その中で10名を超える8段の諸先輩に稽古を頂く機会に恵まれました。
地方に住む剣道家としては
とてもありがたいことです・・・
頂戴したアドバイスを数点にまとめて
・初太刀の面へのこだわりを強く持ちながら
・いつでも打てる中段の構えと左足の備え
・打ち切りへのこだわり
を確認しながら稽古に努めました。

結果は出せませんでしたが
吹っ切れていた以前の頃の立会に戻ってきた感覚が
感じられたのが収穫かもしれません。

そして、思い至ったのは
受験生レベルの不安を感じているようでは
ブレイクスル〜できないということ。
8段位ならば
「ここでしょう!」、「こうでしょう!」
という機会に迷うことなく打ち込めるような立会ができなければ
お話しにならないということでした。

なんだか、
少しマシな心持ちになれそうな気がしています。

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会場は久しぶりに日本武道館

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合格者。相変わらず少ないこと・・

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翌日は7段審査だったので、A嬢の応援。

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A嬢、218B 7段突破! 苦節11回目。
おめでとうございました。
香川大学の山ちゃん先生、筑波大学のユウジ先生、
A嬢が7段になったら何か約束していたような気がするのですが、私の記憶違いでしょうか・・・

私も教え子に負けてはいられません・・
posted by カン at 16:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 剣道覚書