2015年09月09日

高田修道館の指導方針について2015

今から11年前に、高田修道館の指導方針について
保護者会へ文書で周知したことがあった。

あれから10年も経つと
保護者は全て(?)入れ替わり
過去の暗黙の了解や色々な申し送りもあいまいになってきたようだ。

そんなことも感じているので
その当時の文書をここに備忘することにします。

このブログの読者で
高田修道館以外の人にとっては別に面白くもないので
読まなくていいよ。
長いしね・・

では


高田修道館 保護者様 各位
「指導方針について思うこと」平成16年6月 館長

子ども達の剣道を始めた動機は様々でしょうが、
多くの保護者の方は、
お子さん達の心身の
健やかな発育を願って剣道を勧められたことと推察いたします。
同様に、高田修道館でも
お子さん達が剣道を通じて
強い心と健康な体が鍛えられることを願っています。
近年の学校教育では、
子ども達を「鍛える」という視点に対して消極的な傾向がみられることから、
一層このような思いを強くします。

一方、
剣道がある程度上手になってくると、
お子さんの中に試合に出場したいという希望も芽生え、
試合がある以上、
指導部としては
普段の努力の結果としての勝利を経験させたいのも事実です。
試合において「勝つ」ためには
試合ルールの理解や試合のための戦術を学ぶことも必要になります。
子ども達の心身を律する修養としての剣道と、
スポーツ活動としての剣道。
ここに指導部の少年剣道の指導におけるつらい現実があります。
また、お子さん達には個人差が大きいこと
(体の大きさ、紐を結ぶといった器用さ、話を理解する能力、親離れの程度)
剣道を始めた動機が様々であること、
一斉指導の中で剣道を学習していくためには
社会性や協調性がある程度必要であることから、
それらが道場の中で育つまで我慢強く待つ必要もあります。
これは、子ども達、保護者、指導部の我慢比べです。

今までに剣道を辞めてしまったお子さんでは、
子ども同士、親同士、指導部とのコミュニケーションが上手くいかなかった場合、
他のお子さんと比べて上達に時間がかかり本人や保護者が辛くなった場合、
試合にいつも負ける場合、
選手に選ばれる可能性がないと子どもや保護者が考えた場合
が記憶にあります。
しかし、大切なことは(子どもも保護者も)、
共通の目的を持って集まった仲間と仲良くする
正しい礼儀作法(といった社会性)、
大きな声(自己解放、ストレス発散)、
休まない・逃げない(克己心)、
学校の宿題を済ませてから道場にくる(責任)
といったことになります。
入門時の初心を忘れないよう、ご家庭でもご協力をお願いします。
しかし、高田修道館はスタッフ協力者が豊富であり、
県内でも恵まれた指導環境であることから、
現在では段階的な指導方針でなんとかこれらの悩みを解決出来ないかと考えています。

「指導方針」
1.「礼」・「正座」・「黙想」
剣道は竹刀で相手を叩くという行為であるために、
特に思いやりの心と礼儀を重んじなければなりません。
そのため、剣道の入門時に最初に習うことが、
道場やお互いの「礼」、
相手と正しく向かい合うための「正座」、
心を新たにするための「黙想」なのです。
2.入門初期あるいは、低学年から中学年にかけて
道場に来る習慣(稽古が出来ないときは見学する)をつけることです。
技術的には
「剣道みたいなこと」
のレベルでよいのです。
礼法、足さばき、基本の面打ちと切り返しが中心になります。
3.中学年あるいは経験年数3年程度
この段階になると道場へ行くことが習慣的になってきますが、
前述した、
上達に時間がかかり本人や保護者が辛くなる場合(他のお子さんと比べる)、
試合にいつも負けることが子どもや保護者に受け入れられない場合、
選手に選ばれる可能性がないと考えた場合などが弊害になってきます。
ここを乗り越えて欲しいと願っています。
道場における「楽しさ」について指導部ももっと工夫する必要を感じています。
ちなみに、私の場合(小学校4年当時)、稽古は旧態依然で辛くて嫌いだったけど、
師範の先生のことが大好きで先生に褒めて欲しくて道場に行きました。
小学校にもそんな先生が増えると不登校が減るかもしれませんね。
剣道を辞めるお子さんがいるたびに、自己責任を感じます。
この年齢では技術的には、連続技、応じ技の習得を目指します。
また、中学年で入門した場合は、
上達の程度に応じて、中学年レベルの技術段階に早く進めるよう配慮します。
4.高学年
ここまで続けば、へっちゃらです。
体の大小に関わらず、学校の中でも逞しい部類でしょう。
しかし、剣道が上手になった分、
友達と仲良くすること、年下の面倒を見ることを改めて教える必要があります。
今の6年生にはそろそろ厳しく指導しなければいけないと考えています。
技術的には、
応用技(互角稽古の技能)、稽古の結果としての試合が課題になります。
5.その他
現在の稽古時間は休息を含めて1時間半、
居残り稽古を含めると2時間のお子さんもいます。
かつては1時間の稽古でしたが、
物足りないのか居残り稽古を希望する子どもが多く、
2年前に1時間半に延長いたしました。
初心者の方には大変かもしれませんが(すぐ慣れます)、頑張って下さい。
高学年はさらに居残り稽古をしなければ満足しないのか、
辞めさせなければいつまでも稽古しています。
きっと、家に帰って勉強するよりよいのでしょう。

色々書きましたが、
最終的には
道場の中での立ち振る舞いや礼、挨拶「御願いします、ありがとうございました」が
家庭や学校生活でも出来るようになること、規律正しい生活が出来ることが最終目標です
(これが試合に勝つよりも難しい)。
お子さん達のため、家庭の応援とご協力をお願いします。

以上

最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。


posted by カン at 10:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 覚えておきたい言葉
この記事へのコメント
うちの初心者とその親に最初に知らせるべきでいたね。こういったことを。先週末に稽古が終わったとき職員室に戻ったら、診断書とメモ書きが置いてあり、しばらく休まなければならないとの意味らしいことが開いてありました。扱いに困りました。
Posted by 阿部文一 at 2015年09月19日 21:56
確かに、対応に困る時がありますね。
Posted by カン at 2015年09月24日 11:09
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