2015年10月21日

選手と審判の一瞬の心の創造2015

月刊「剣窓」410, 6, 2015 に載っていました。
非常に味わい深く、興味ある内容だったので
別タイトルをつけて、以下に紹介させていただきます。

このブログでのタイトルは
「選手と審判の一瞬の心の創造2015」
とさせていただきます。

(前略)・・・筆者の疑問となっていた「心を打つ一本とは何か」
あるいは「心力」とはどうやって強めるのか、を考えてきた。
だが、この1年間でまったく予想もしていなかった言葉に出会って、
疑問はますます分からなくなっていた。
それは「人間は脳で考えることはできても、心は脳の中には存在しない。
心は自分の脳と他者の脳の間にある、ないしは間で作られる」
(ロボット工学・石黒浩)
というものである。
いま最も先端的な発言で、ロボットに考えさせることは可能でも、
心を創造することは不可能だと言い表している。
・・(中略)・・
実力伯仲した著名な剣道専門家同士の技量・体力は
筆者や観衆らには想像もつかないが、
試合内容そのものと戦っているのは、実は審判である。
審判の脳と試合者の脳の間に心が作られないと、一本の判定が表現されない。
K選手の出ばな面とM選手の左胴に旗が揃ったのは、
長い葛藤の果ての5者による一瞬の心の創造であろう。
・・(中略)・・
年齢、段位によって、
それぞれ「無心」の試合や立会いを続け、
そして日頃の稽古を重ねることによって、
「心とはなにか」を問う状況を昇華し、
一方で
「守破離」の言葉を念仏のように唱えて、
そのうち
「心とは脳と脳の間にある」
というようなロボット工学者が導いた言葉に行きついて、
結局わけがわからなくなる。
剣道は生身の人間同士で
果てしなくどこまでもやるべきことを
K大会での試合内容、主管連盟の配慮有る運営ぶりから教えていただいた。
(鴨志田恵一 剣窓編集委員)
posted by カン at 09:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 覚えておきたい言葉
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