2010年09月22日

居合道中央講習会の伝達講習会がありました

日時:平成22年9月20日(月)
会場:黒崎総合体育館
講師:橋本教士、草間範士

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配布された資料を見ると
6月にあった地区講習会の内容とほとんど同じだけど、
備忘します。

何故かというと、
今回は、
ずっと気になっていた
文中に見られる「正体」の使い方が
「正対」のミスプリではなく
意図的な思いを込めた使い方であるということが判明したから。

具体的には
草間範士にお聞きして、
「正対」の状態と「正体」の場合の状態の違いを示範して教えていただきました。
この状態の違いはちょっと文章化できないので、口伝の領域かな・・・

以下、配布資料の紹介です。

全日本剣道連盟居合道講習会「指導要点」

1.作法(礼法)
 終わりの刀礼
・脱刀:「刀をわずかに右前に引き出しながら」とあるのに刀を右前に出しすぎる人がいる。(出しすぎるなということ・・・)
・刀のとり方:刀を止めることなくいったん静かに正面中央に立てるとき、「45度くらいに立てながら」という取り決めはない。(以前は、要領としてそのように指示した時代はあったが、そのようにしなければならないという決まりではないということ・・・)
・下げ緒捌き:下げ緒捌きは各流派の流儀にならって任意である(師匠に習ったままでよいということ・・・)
 八段審査の二次試験「古流」の作法(礼法)は全剣連居合の作法(礼法)である。

2.二本目(後ろ)
・両つま先の立て方は錬度によって(一本目「前」も同じ)。:錬度によるのであって、なし崩しに適当に行うわけではないということ・・・)
・敵は真後ろではなく、わずかに正面左寄り。(教本では「後ろ」とあるがその注釈・・・)
・左足をやや左寄りに踏み込むと同時に抜きつける。(踏み込む程度は後ろの敵に正体する範囲まで)

3.三本目(受け流し)
・左足を右ひざの内側に足先をやや外側に向けて踏み込む。
・そのとき左足先は右ひざ頭と揃うくらいに。(居合腰を基準とした体軸のつくり・・・)
・受け流したとき、両足は「イ」の字のような形になるように。(居合腰を基準とした体軸のつくり・・・)
・受け流して袈裟に切り下ろすまでの流れは、受け流しをきちんと決め、剣先を振り回さないで、そして「刀を止めることなく」一連の動き(流れ)となるように。(「決める」が「止めない」ということが大切・・・)
・「抜き上げ」とは、剣先が鯉口から離れる前までの動作をいう。
・剣先は右足を「イ」の字のような形に踏み込んだときに、鯉口から離れる。(「イ」に字ではなく、「イの字のような形」という点に留意すること・・・)
・このとき、体は左正面を向いている。(この点は昔から変わっていない・・・)

4.四本目(柄当て)
・居合膝から腰を上げたとき、左足のつま先を左膝の真後ろに立てる。
・後ろの敵を突き刺したあと、正面の敵に振り向き、刀を引き抜きながらの振りがぶりは、左膝を軸に左足先を元にもどすこと。このとき、腰は敵に正体するので、刀は自然に抜けて振りかぶることができる。(あらためて引き抜く動作をしないということ・・・)

5.五本目(袈裟切り)
・敵の右脇腹から逆袈裟に切り上げた剣先が、敵の肩口から抜けないうちに刀を返す人が多い。
・剣先が敵の左肩口を切り抜けてから刀を返す。

6.六本目〈諸手突き〉
・「中段におろす」とは、左手の位置は自分のへそ前 約ひと握りのところとし、剣先は敵の喉の高さにつけるということ。(要するに、中段の構え・・・)
・中段からの突きは、間をおくことなく一連の動きで
・「刀を引き抜きながら」という動作は、あらためてしなくても、剣先を突いた水月の位置から下げないで、柄頭から頭上に振りかぶれば、自然に「引き抜きながら」となる。
・三人の敵はほぼ同一線上に立つ。
・向き直るとき、左足を左へ踏みかえる。
・「刀を引き抜きながら」は、腰の回転と共に「受け流しに」という動作が加わる。
・受け流しに頭上に振りかぶるとき、柄頭から先に上がるようにする。(これらは六本目の大切なポイント・・・)
 
註)踏み変えについて
 六本目、八本目、十本目の踏みかえはそれぞれ異なる。敵の立つ位置がそれぞれ微妙に異なるから、それに応じて踏みかえの程度も異なってくる。
六本目(諸手突き):三人の敵はほぼ同一線上に立つ
八本目(顔面当て):後方の敵はほぼ身一つ左に立つ
十本目(四方切り):四人の敵は四方に立つ

7.七本目(三方切り)
・「敵を圧しながら」とは気攻めであるから、正面に向かってあまり刀を抜き出さないように。(あまり抜き出すと回し切りになってしまう・・・)
・右の敵の頭上から顎まで抜き打ちするとき、剣先で上から下へ円を描くような抜き方をしないように。(回し切りをしていると、このような抜き方になるということ・・・)

8.八本目(顔面当て)
・右足を軸に左回りに回って左足を左に踏みかえると、後ろの敵の位置は身一つ左へずれる。
・後ろの敵の水月を突き刺すとき、「刀を水平にして右上腰に当てた右こぶしは、左手を後方に強く引く力を伴いつつ、手の内を締めながら切っ先を正体した自分の正中線に向けて突き出す。(刺突後の剣先の位置は水月に、右こぶしは切っ先よりわずかに下げ、そして右体側よりやや内側に:こぶしを正中線にいれるわけではないということ・・・)
(文章にするとややこしいが、要するに上腰に右こぶしを構えたときは右手の手の内がきまっていないから、突くときは手の内を入れて絞るということ・・・)

9.九本目(添手突き)
・血振りが他の「横血振り」と異なる点は、刃先の向きにそって「右に開いての血振り」で、血振りしたとき、右こぶしの位置は右斜め前方にあって、その高さは左手と水平にしない。(水平にする必要がないということ・・・、刃筋の向きに血振りすると右手は左手の高さより高いはず・・・)

10.十本目(四方切り)
・一重身について
ア)一重身になる理由:柄の平で右斜め前の敵の右こぶしを正体して打った体勢から、左斜め後ろの敵の水月を突き刺すためには、左足をわずか斜め左へ捌いた一重身にならざるを得ない。
イ)一重身の状態(体勢):一重身は、(本来は・・・)「右斜め前の敵と左斜め後ろの敵に対する身構え」で、両足は逆さ(ハの字)のような形となり、ほぼ真横に開いた状態(体勢)。このとき体は四人目(左斜め前)の敵に対してほぼ正体する。突く時は、右足先を左斜め前に向ける。(技としては、突くときの右足先は左斜め後方の敵を向くということ・・・)
・四人目(左斜め前)の敵に対して「脇構えにとる」でなく「脇構えになりながら」という一連の動作に留意する。

11.十一本目(総切り)
・刀を受け流しに頭上に振りかぶるとき、左足をわずか後方へ退いてもよい。
・刀の抜き出し方は「挿しなり」である。
・正面の敵の腰腹部を水平に切るとき、正体した自分の左上腰に刀を水平にして、正面の敵の右腰腹部から左腰腹部を(およそ180度まで)水平に切る。

12.十二本目(抜き打ち)
 刀を頭上へ抜き上げるとき、右こぶしは自分の体の正中線にそって身近くを通り、身幅より外へ出ないように。
(平成22年6月作成)
posted by カン at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 居合道覚書
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