2011年11月23日

19日 経験を食べる竜

居合道審査当日。

東京も朝から雨・・・
(この雨は午後から夕刻以降まで豪雨と暴風に)

9時:江戸川スポーツセンター着
サブ道場で、稽古を約1時間程度。

DSC09572_512.jpg
受験に来られていた全日本チャンピオンも稽古されていたので、
その横であつかましく間や呼吸を真似ながら稽古させていただいた。
確かに自分とは間も呼吸もぜんぜん違うし、
とにかく切り下ろしの迫力が私と雲泥の差・・
勉強になった・・・。

会場では
受験に来られていた福島の南相馬のY田さん(剣道7段)にお会いできたので
ご挨拶と南相馬の近況などを伺う。

相馬といえば
今回来日されていたブータンからのお二人は
質素でつつましく、そして聡明な美男美女だった。
そして、
ワンチュク国王(31歳:王妃は21歳だって・・・)が福島県の相馬市の小学生に語りかけた
「皆さんの中に人格という竜がいます。年をとって経験を積むほど竜は大きくなり強くなります。」
といった趣旨のお話には感銘した。

竜はブータン国のシンボルで国旗にも描かれているらしいが
この竜は、人の「経験」という餌を食べて大きくなり、
経験が十分となったとき、
その人の身に「人格」という竜として表れると考えていいのだろう。
十分な「経験」を食べることができなかった竜は成長もできないということだ・・・
この度の国賓のお二人は本当に好印象だった。

審査開始

居合い東京審査.jpg
私は4組目。
1組目4名・・・なんと全日本優勝経験者2名、上位入賞常連者1名・・
審査会の1組目がこのメンバーでは
審査員に印象が強烈すぎて(3名合格)、
後の組がどうしても見劣りしてしまう危惧がある。
受験者にとっても、2組目、3組目の方々は1組目の演武に引っ張られたのか、
振りに力みや足裁きにブレが見られた(合格者1名のみ)。
この方達、サブ道場での稽古を拝見したときは立派な内容だったので気の毒だ・・・

私の前日からの「あがり」は極限に達して
心臓が飛び出しそうになったけど、
今の全てを「良し」と飲み込んで演武「開始」。
私、呼吸にのみ専心し、パワー全開・・・
(まだ、「位」という竜が育ってないから、持ってるもので勝負するしかなかったのよ)。
稽古時のようには出来た感が残ったので、自分なりには一応は満足。

結果、

「不合格」・・・

まぁ、仕方ないね。
悔しくってしかたないけど・・・
この経験を「竜」は食べてくれるでしょうか・・・

帰路は柏崎シナケンさん、草間範士と一緒に大手町まで
範士:「1組目がすごかったから大変だったね。次頑張ってね。」だって・・

その後、
地下鉄の階段が暴風雨の影響でびしょぬれだったせいか、
階段の上から大学生風の男の子が足を滑らせて「落ちて」きて私にぶつかる。

不吉な・・・

地下鉄に乗り換えたら、電車が途中で緊急停止して、
なにやら、どこぞの駅でお客が線路に「落ちた」らしい。

不吉な・・・

いや〜な予感が満載になったので
去年のように「肋骨折れた事件」みたいなことになったら困るので
おとなしくホテルに帰り、コンビニの惣菜とビールで二日目の夜を過ごした。

せっかくの経験は教訓として生かすことによって
人生が意味あるものに変わっていくのかもしれません・・・と、
この日はまじめに考えました。

このような内省をもたらすきっかけをくれた
ブータンからのお二人に感謝いたします。
posted by カン at 18:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 居合道覚書
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