2月中にまとめることができました。
やれやれ。
小太刀はイッキに三本分アップします。
◎太刀の形から小太刀の形へ移る場合の所作
仕太刀は後ろ退りに小太刀の置いてある位置に至り、下座側の膝をついて太刀を置き、小太刀を持ち、立ち上がって立会の間合にもどる。打太刀は、仕太刀が立会の間合の位置にもどり始めた頃に、立ち上がって待つ。
小太刀一本目
1. 打太刀は、諸手左上段、仕太刀は(1)中段半身の構えで、打太刀は左足から、仕太刀は右足から、(2)互いに進み間合に接したとき・仕太刀が(3)入身になろうとするので、打太刀は右足を踏み出すと同時に、諸手左上段から、仕太刀の正面に打ち下ろす。
(1)中段半身の構えは、右足をやや前に出し左肩を引いて、剣先をやや高く構える。(剣先は打太刀の顔の中心の高さにとる)
(2)3歩進む。
(3)入身とは、気勢を充実して、相手の手元に飛び込んでゆく状態をいい、入身になろうとするので、ということから形に表さない。
2. 仕太刀は、右足を右斜め前に、左足をその後ろに進めて、体を右に開くと同時に、(4)右手を頭上に上げ、刃先を後ろにし、左鎬で受け流して打太刀の正面を打ち、左足から1歩ひいて(5)上段にとって(6)残心を示す。
(4)五指で強く握っていると、左鎬での受け流しが難しいので、手の内をゆるめる
(5)
イ.上段をとるとき、剣先を顔の中心につける必要はない。
ロ.右拳は額の前上におき、剣先は約45度上方に向く。
(6)確実に正面を打ってから、残心を示す。(反射的にとらない)
3. その後、(7)いったんその場で相中段になってから、打太刀、仕太刀ともに、左足から刀を抜き合わせた位置にもどり、(8)剣先を下げて元の位置にかえる。
(7)小太刀の一本目だけ、その場で相中段になる。
(8)小太刀の構えの解き方は、左手を左腰から下ろし、剣先は相手の体からわずかに外れるように下げ、刃先は左斜め下に向ける。
小太刀二本目
1. 打太刀は下段、仕太刀は(1)中段半身の構えで、互いに右足から進み間合に接したとき、打太刀は、守る意味で、下段から中段になろうとする瞬間、仕太刀は、打太刀の刀を(2)制して入身になろうとするので、打太刀は、右足を後ろにひいて(3)脇構えにひらくのを、すかさず、仕太刀が、再び(4)中段で入身になって攻めてくるので、打太刀は脇構えから変化して諸手左上段に(5)振りかぶり、右足を踏み出すと同時に仕太刀の正面に(6)打ち込む。
(1)剣先は、やや低く構える。(剣先は打太刀の胸部の高さにとる)
(2)制して入身になるときの刃先は、斜め右から下へと変化する。
(3)大きくとらないで、剣先をすばやく右斜め下にして脇にとる。
(4)(2)を受けて、右足から1歩進め(左足もともなう)、中段となり攻め込む。(剣先は咽喉の高さとする)
(5)上段に振りかぶる程度は、両腕の間から相手の体が見えるくらいである。
(6)
イ.斜め打ちにならないように、打ち込む。
ロ.脇構えから上段、打ち込みの動作は、一連のつながった動作として変化する。
2. 仕太刀は左足を左斜め前に、右足をその後ろに進めて、体を左にひらくと同時に、右手を頭上に上げ、刃先を後ろにし、右鎬で受け流して面を打ち、打太刀の(7)二の腕を押さえて腕の自由を制すると同時に、右拳を右腰にとり、刃先を右斜め下に向け、剣先を咽喉部に(8)つけて残心を示す。
(7)関節よりや上部を上から押さえて、腕の自由を制する。
(8)延長である。(三本目も同じ)
3. その後、打太刀は左足から、仕太刀は右足から相中段になりながら刀を抜き合わせた位置にもどり、剣先を下げて元の位置にかえる。
小太刀三本目
1. 打太刀は(1)中段、仕太刀は(2)下段半身の構えで、打太刀は立会の間合から、右足、左足と進み、次の右足を踏み出すとき、仕太刀が入身になろうとするのを中段から諸手右上段に振りかぶって、仕太刀の正面に打ち下ろす。仕太刀は、その刀をいったん(3)すりあげて打太刀の(4)右斜めに(5)すり落とす。
(1)下段に対して、剣先は下げない。
(2)左肩をひいて、半身となる。
(3)立会の間合から右足、左足と進み、つぎに右足を踏み出して、入身になろうとするとするところを正面に打ち下ろされるので、この刀をすり上げて、すり落とす。
(4)力の加滅によって、右斜め後方にすり落とされることもあるが、一応右斜めということで表現する。
(5)仕太刀の剣先は、打太刀の体からやや外れる。
2. 打太刀は、直ちに左足を踏み出し仕太刀の右胴を打つ。仕太刀は左足を左斜め前に踏み出し、体を右斜めにひらくと同時に、胴に打ってくる打太刀の刀を、(6)左鎬ですり流し、そのまま左鎬で、打太刀の鍔元に(7)すり込み、小太刀の刃部のはばきで打太刀の鍔元を押さえて、入身になり、打太刀の(8)二の腕を押さえる。
(6)手首を柔らかくして、右拳をすり落とした位置からは横一文字に腹部の前を移行して(高く上がらぬように)右に運び、すり流す。
(7)
イ.手首を起こして、仕太刀のはばきが打太刀のはばきに直角になるようにすり込む。
ロ.すり込み終わったとき、仕太刀の鍔元が打太刀の鍔元と接するようにして押さえる。小太刀と太刀とは、おおむね十文字に交差させる。
(8)関節よりやや上部をやや横より押さえ、腕の白由を制する。
3. 打太刀が(9)ひくので、仕太刀はそのまま攻めて、2,3歩進み右拳を右腰にとり、刃先を右斜め下に向けて,剣先を咽喉部につけ、残心を示す。
(9)打太刀は、左斜め後方に右足、左足、右足と引くので、仕太刀は左足、右足、左足と歩み足で3歩進む。
4. そのあと、打太刀は右足から仕太刀は左足から相中段になりながら刀を抜き合わせた位置にもどる。この場合、小太刀の形が終わるので、蹲踞して互いに刀を納めて立会いの間合にかえり(10)、立礼をして終わる。
(10)
イ.立会の間合にかえったら、腰から刀を脱し右手に持ち、提げる。木刀の場合、体の中央で左手から右手に移行し、両手を自然に提げ立礼をする。
ロ.腰から刀を脱する要領は、左手で刀をわずか右前に押し出しながら、右手を左手の内側におくる。右手の人差し指を鍔にかけて、残り四指で鯉口近くを握る。左手左帯におくり、右肘を伸ばして、脱刀する。
最後の礼は最初の礼と同じである。最後の礼は、まず互いに礼をし、次に上座に向かって礼をして、最初に下座で行った座礼の位置にもどり、互いに礼をして退場する。
◎終りの作法
打太刀は、座礼の方向を向き、まっすぐに座礼の位置に行く。
仕太刀は、太刀の置いてある場所に後ろ退りに行き、下座側の膝をついて太刀をあわせ持ち(左手を用いてもよい)、次に立ち上がって座礼の位置に行く。
両者向き合って同時に座る。
座礼をして立ち、打太刀を前にして退場する。