2010年11月02日

第58回全日本学生剣道優勝大会がありました

10月29日(金)
 大学で朝稽古を済ませて、一路大阪へ。
 16時、大阪着
 18時から、審判委員会のメンバーと稽古会。
府立体育館の道場.jpg
大阪府立体育館の立派な剣道場をお借りして、
11名(8段6名、7段5名)で3分間回り稽古・・・
とても有意義ながらも、とても疲れた・・・

20時から中華料理屋さんで懇親会。
当然、飲み放題コース。
くいだおれ.jpg
その後、道頓堀辺りを徘徊・・・

10月30日(土)
 10時〜12時:審判委員会
 13時〜14時30分:理事会
 14時45分〜16時30分:審判研修会
 17時〜18時:OB稽古会
  8段の先輩5名から稽古をいただきました。
 19時〜:懇親会
くしかつ.jpg
その後、道頓堀をまたも徘徊していたら、大学の後輩達に遭遇・合流・・・

たこやき.jpg

 10月31日(日)
大会.jpg
第58回全日本学生剣道優勝大会
会場:大阪府立体育館

この日は上越市でスポ少の全国予選と新潟市で居合道連盟の祝賀会があったのですが
私は残念ながら学生剣道連盟の審判委員会のお仕事でした。
上越出身の大学生としては京都大学のO君、専修大学のK君の姿を会場で見かけました。

大会結果
決勝戦.jpg
優勝:早稲田大学(45年ぶりに2回目の優勝。)
準優勝:日本体育大学
3位:立命館大学・専修大学

雑感
(後日、追記します・・・)
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2010年10月11日

連休行事であちこちに(その1)

久々の書き込みです。

第18回おんたけ剣道指導者講習会がありました。

日時:10月9日(土)10日(日)
会場:長野県木曽郡大滝村 大滝村国民体育館
主催:おんたけ剣道指導者講習会実行委員会
講師:作道正夫先生(範士8段)
   折口築先生(教士7段)
   森岡宏光先生(教士7段)
特別講師:小久保昇治先生(教士8段)
     太田欣之先生(教士8段)

要するに、サクド〜ファンにはたまらないサクド〜剣道色たっぷりの講習会です。
私達(ジキ、ノリ&ノリ、クニ)は土曜日だけの日帰り参加でした。
5:30出発、22:00帰宅

沢山ご指導いただいた中で、私の印象に残った点を紹介します。

基本技術 
・足構えの技能化を図るための「切り返し」「打ち込み稽古」における元立ちの掛かり手に対する間詰めの大事。
 (アキレス腱切りませんように・・・)
・相中段での相互の前進後退動作を用いた出端・引き際の面打突の発展的指導法
 タイミング調節
 空間密度の圧縮
 前進後退時の左足の備えの技能化
(この前進後退運動を極小化していくことによって、呼吸の読み・「気」争いの読みにまで昇華させることができそうだ・・・そして、この伝統的な稽古法も、このように系統的に教材化することにより、初心者から上級者まで使える有効な稽古法だということに気づいた。これは大きな収穫・・・。)
・跳躍面素振りの際のサクド〜範士の体幹と左足の使い方。
 (あっ、そういう風にやってたのかぁ〜という気づきがありました。)

剣道形
・間詰めの際の三歩目の大事(「先」の気勢の大事)
・「先々の先」「後の先」の技使いの吟味
 (反射動作としての「後の先」の技の表現とそれを可能にする正中線上の五分の気位とさらに打ち太刀の打ち込みの工夫)
・太刀筋の大事
(その時はなるほどと思ったはずなのだが、帰ってきたら何のことだったかすっかり忘れてしまった。今度、大阪行ったときに聞こっと)
・小手のすり上げ方
(サクド〜先生の手の内を見せていただいた。故池田範士の手の内を口伝していただいた。それを傍らでご覧になっていた小久保先生から、故東北の大先生の正中線のすり上げを手取り足取り教えていただいた。これも今回の収穫・・・)

言葉
 講話で配られた資料の中で紹介されていた河合寛次郎さんの
「驚きは喜びに、喜びは御礼に、お礼は合掌に、―ここで人間は初めて動物と訣別した。お礼は躍動して思い余って拍手となる」
が妙に心に沁みました

稽古
久しぶりに太田先生に御願いしたのを皮切りに、学生さんを含め7名の方と稽古することができました。
その中で、岐阜の先生に「先生はあのブログ書いてる先生ですか?、読んでます。」と言われ赤面してしまいました。

H_640.jpg
写真は、おんたけ定番の猪豚焼肉定食です。
食感は、やや硬い豚肉です。


付記:
翌日、講師を務められたダルマ先生から、
「二日目、××先生と皆さんの前で形を打つようにとサクド〜範士から急に言われ、冷や汗、めまいが起こり大変でした・・・」
とのメールが届きました。
フフフ・・・
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2010年09月20日

今後の指導に関して

先日の中山旗大会で感じた今後の指導あるいは指導方針に関わって

先週行われた剣道受験者講習会での指導内容が想起された。

それは、講師の梯範士が講習会で配布された資料の中に
「審査の(審査員から見た)着眼点」という項目があり
その内容は

1 着装(稽古着、袴、剣道具)
2 姿勢、態度(蹲踞、堂々たる構え)
3 発声(充実した気勢)
4 攻め合い(蝕刃から交刃までの気争い:何かやるなという期待感を出す)
5 有効打突(冴え 打ち抜け)
6 残心(位、風格)
(平成22年新潟県剣道8,7,6段受験者講習会資料)
とあった。
そして、1と2に関して範士は、
「相手に関係なく、自分の心がけで行うことができること」
として紹介された。

しかし、よく眺めると
3の「発声」(充実した気勢)
だって自分のこころがけでいつでも行うことができるぞ・・・

4の「攻め合い」(蝕刃から交刃までの気争い:何かやるなという期待感を出す)や
5の有効打突(冴えや打ち抜け)
の場合は、相手のその時の反応といった状況による影響も大きいけれど、心がけしだいで改善していくことはできますよね・・・

6の残心(位・風格)に至っては、長い年月の鍛錬の結果なので、その場で取り繕えるようなものではないけれど、これも心がけ次第で向上させていくこともできそうだ・・・。

というように眺めると
1 着装(稽古着、袴、剣道具)
2 姿勢、態度(蹲踞、堂々たる構え)
3 発声(充実した気勢)
というような
自分の心がけ次第ですぐにでもできるようなことが出来ていなければ
これは、小学生だろうが中学生だろうが大人だろうが
「常に向上しようという態度」あるいは「学ぶ態度」
ができていない
と解釈することも出来る・・・
(少し厳しいかな)

そんなこともあって
中山旗に参加した日の子ども達との反省会では
小学生にも中学生にも
「自分の心がけ次第で出来ることはすぐに出来るように努力するということを大切にするのはどうだろうか?」(ややこしい言い回しだね)
などと問いかけてみました。
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中山博道旗争奪剣道大会がありました

QOPO.jpg
第57回中山博道旗争奪剣道大会

日時:平成22年9月19日(日)
会場:燕市分水総合体育館
結果:小学生の部(田中優・緑川・松野・吉田・田中遥) 3回戦惜敗
   中学生男子の部(松本・山口・八木・片山・東山) 3回戦惜敗
   中学生女子の部(内山・杉田・松野・山下・渡邊) 2回戦惜敗

高田スポーツセンターを6時発でしたが、
大会は参加チームが少なかったので、
14時30分には閉会式が終了し、早く帰ることができました。

この日は、子ども達の世話は修道館のW女史に御願いし、
Y木先生、M川先生と一緒に審判を務めました。
子ども達の試合は、審判しながらチラチラと横目で眺めていただけ・・・
中学生男女チームの試合内容は大変に不満足・・・
小学生チームの試合内容は、あの子たちがよくぞここまで上達したなぁと感無量・・・
中学生メンバーは高校へ向けて課題満載、小学生メンバーは中学校進学後の成長が楽しみといった感じでしょうか。

すべて指導者の責任と反省して
今後の指導方針を考えなければいけないなぁなどと感じながら帰途につきました。

ところで、(反省として)
審判中、自分の中で、なんとも妙な違和感と判定への決断力の無さが生じてしまいました。
どうも、子ども達の突然の打突や決まるはずの打突が空振りするなどの「運動共感の不一致」が原因のようでした。
この夏は、本当に沢山、審判をしたのですが
全国大会レベルの審判が多かったことと関係しているのかもしれません(それではダメなんだけどね・・・)。

つまり
ここという場面では必ず決まるという技能レベルの試合を沢山審判してきたのに対して、
この日の場合は、突然の打突や決まるはずの打突が空振りしたり、面金で滑ったりすることが多かったので
判定の拍子がはずされたような妙な感覚が生じてしまったようです。

どんな試合でも上手に審判できるようにならなくてはいけませんね・・・・

審判数、どれ位か
7月、8月、9月に行った審判数を日誌の覚え書きから数えてみました。

全日本男子学生剣道選手権大会
全日本女子学生剣道選手権大会
上越地区中学校剣道大会
三県都市対抗剣道大会
全日本少年剣道錬成大会
地域貢献事業長野合宿剣道大会
北信越国体
全日本選手権新潟県予選と新潟県高段者大会

合計256試合・・・
僅か2ヶ月では多いのか、普通なのか・・・
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2010年09月13日

秋の受験者講習会がありました

秋の剣道審査会に向けた6・7・8段受験者のための講習会がありました。

日時:平成22年9月12日(日)
会場:黒崎地区総合体育館
受講料:5千円(今までは1万円だった・・・)
講師:梯正治範士8段、渡邊幹雄教士8段、白井吉満教士8段

2010uK.jpg
午前中は講話30分と段別模擬審査120分
午後は、剣道形1時間と段別回り稽古30分
の内容でした。
2010uK.jpg

覚書(梯範士の印象に残った助言)
・打ったら、後は打たせない
・稽古の時のような打ち方ではダメ(打ち抜けのこと)
・相手の気当たりに動じたような仕草は厳禁
・技が決まらなかった時の二の太刀の大事
・ここだと思った間合から僅かに詰める
・「後の先」の工夫

個人的には、
立会いの内容が単調
発声が悪い
というご指導をいただきました。

ここしばらくの稽古では
相手への詰め加減を工夫している(つもり)なのですが
意識がそのことに向いているせいか
相手の反応に遅れてしまうのが反省でした。

相変わらず、「面」さっぱり決まりませんでした。
「面」ばかり打っていくから相手はやりやすいだろうなぁ
「胴」をたくさん打たれました・・・・


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2010年08月04日

講習会後の昇段審査会がありました

日時:8月1日(日)
会場:上越市総合体育館

私は県の審議員ということなので
初段から5段までの審査を担当させていただきました。

でも
私も受験中の身でありますから
この日に拝見した立会いからも
自分にも何かを活かせないかという気持ちで拝見しながら
審査員を務めさせていただきました。

そして、その結果、

先月号の剣窓に載っていた
大阪S範士による
「審査の印象について」(剣窓p.11, 7月号, 2010.)の中で、

短い立会いの審査だからこそ求められる「切羽詰ったヤルかヤラレルかの攻防と、ハッとする技の使い方」の大切さ。
そのためには、
・技前の攻防(「構え」と「間合」−間と機)に緊張感があるか。つまり、構えの出入り(竹刀交差と出入り)が目立つようではいけないということ。
・打突の仕方、技の使い方が平たく、「置き打ち」、「決め打ち」になっていないかということ。
・「一本打ち」の技を中核としつつも、打ち切りの厳しさが即二段、三段の技となって展開できているかということ。

という問題が、
初段であろうが高段者であろうが
共通であり
本当にその通りだと感じられました・・・

posted by カン at 13:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 剣道覚書

2010年07月10日

地区中学剣道大会にて

第50回上越地区中学校剣道大会
日時:平成22年7月6日(火)7日(水)
会場:浦川原体育館

2日間、審判のお手伝いをしてきました。
県大会予選なのですが・・・、生徒が少ないのが印象的です。
参加学校:男子15校93名、女子13校73名
県大会出場枠は団体戦4校、個人戦8名です。
2日間開催ですが、一日でも消化できる試合数でした。

中学校の大会のお手伝いをして、いつも感じるのですが

1.監督(顧問)の監督席での声援がやたらとうるさい。

2.監督が審判員を兼任するのだが(指導者が不足しているという中学校剣道指導の事情による)、会場内で審判員が自校の生徒を指導している場面が目に付く。

3.審判控え席から審判員が頻繁にいなくなる(生徒の指導をするためか・・)。

4.コート主任であっても、主任席からいなくなる(生徒の指導をするためか・・)。

といった大会運営面、あるいは公明正大という視点からみて
好ましくない事態が頻出するのです。

だから、審判のお手伝いをしていて
とても、疲れる。
お手伝いの立場なので、大会運営に関する指導的な発言も部外者としては遠慮するしね・・・

ギャラリーには多くの保護者が応援に来ておられた。
このような状況は、あの方々からはどのように見えているのだろうか
などと思っていたら
大会終了後、
ある保護者から大会に関する感想メールをいただいた。
そこには
審判によって異なる反則や有効打突は素人にとってわかりにくいという点、
審判服を着た顧問の先生方の過剰な応援と試合中のアドバイスが剣道経験者でない方が顧問を務める学校に対してあまりにも不利ではないのかという点が
するどく指摘されていました。

日本中学校体育連盟剣道競技申し合わせ事項では、
中学生の剣道を正しく導く
という理念の下に

特に試合運営に関して
1.校名・校章等の刺繍(剣道着・袴)は、大きさ、色を含めて華美にならないように配慮する。
2.面乳革は、大きさ、色、模様を含めて華美にならないように配慮する。
3. 柄革は、模様等のない無地のものが望ましい。

とか

「指導」「反則」となる具体的な事例として
1.相手の打突に対して、「公正を害する変形な構え」での防御姿勢又は防御
2.「公正を害する変形な構え」からの打突
3.「公正を害する変形な構え」から間合いをつめ、つばぜり合いに入る行為
4.鍔競り合いから「公正を害する変形な構え」による防御姿勢

とかが、厳格に申し合わされています。

これからは

生徒に対する「躾」だけでなく
私を含めた指導者も
襟を正さなくてはいけないね

といったところでしょうか・・・・

尚、中体連の上述の「反則となる具体的な事例」に関して
興味深い現象が試合中に観察されたので
先般、行ってきた全日本学生剣道選手権
明日開催される三県都市対抗剣道大会
月末の全日本少年剣道錬成大会
での審判の思い出とあわせて
後日、備忘することにします。
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2010年06月14日

サクドーセンセー特別稽古会がありました

期日:平成22年6月9日18:00〜17:30
会場:共栄館道場(三条市)
参加者:約20名(世話人、三条市K先生)

教育実習の巡回指導で三条高校へ来られたサクドーセンセーにより特別稽古会が実現しました。

この日は朝稽古で大学院生のK本を相手に
いやってほどに面打ちのウオーミングアップしておいたので
コンディションはバッチリ。

仕事を終えて(無理やり中止して)、
高速道路をすっ飛ばして(良くないねぇ・・・)、
やや遅刻ながらも(これは仕方ない)、
現地着。

サクドーセンセーとは今年5度目のお稽古(過去最多)、
「業前、業前、業前、詰める、詰める、開放」と念じながら師の呼吸に同調させていただき、面Ver.2010(開発途上)を多発・・・
稽古後に、「うむ・・、後は相手に任せてしまうように」とのお言葉をいただきました。

いつもながら面白く、深く、哲学的でありました・・・・

その他、長岡のS先生、三条のK先輩、大阪体育大学OB・OGのT夫妻にも御願いできました。
わずか1時間ほどの稽古時間でしたが、
気勢を全開で開放できたので、
とても浄化された気持ちで帰途につきました。

ありがとうございました。


備考:
共栄館道場は倉庫の2階を改装したものですが、
とても立派な本格的な雰囲気の内装です。
稽古でも遠慮なく踏み込めるようなしっかりとした床板でした。
ぜひ、また訪れてみたいと思える道場でした。

館長のヤマダ先生はご不在でしたが、
稽古帳の記載と使用料を寄進をさせていただきました。

ヤマダ先生、第32回全日本高齢者武道大会「剣道」の部団体戦優勝、おめでとうございました。


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2010年05月14日

今年のKyoto(5月4日「朝稽古の巻」)

京都大会といえば
朝稽古に出なければ
京都に行った甲斐がない。

少し早かったけど、朝6時、武道センター到着。

さらに続く、Kyoto 2010での「面」物語・・・

徐々に参加者が道場内に増えてくる中、
準備運動していると
後ろから
誰かに乱暴に背中を小突かれる(痛てぇ〜な〜)・・・・

私「あっ・・・」
乱暴な奴は、秋田のT教士8段、
大学時代の同級生でもあり、
当時のS監督をして「史上最強の副将」と言わしめたほど試合に強かった人
会うのは10数年ぶり

開口一番
T君「なに、あんな面打ってんだよ〜!」
私「ぐっ・・・、見てたわけ・・・・」
T君「あんなじゃ、絶対に当たらねえ〜よ!」
私「・・・・、そんなボロクソ言ってないで、具体的に教えて」
T君「だいたい、足幅が広い、重心位置が悪い、あんな構えから一気に面打つから、こういう格好になるだろうが〜」といって私の面打ちの真似・・、
T君「こんなふうにして面打ったら、誰でも胴返すだろうが〜!」

悔しいけれど、よく似ていた・・・

私「もっと教えて・・・」
T君「ど〜してもあんな面打ちたいのなら、足はこ〜してあ〜して・・・、重心はこ〜してあ〜して・・・」

う〜ん、なるほど・・・
しかし、このT君、剣道に関しては相変わらず恐ろしい奴だ・・・

すぐにはできそうにないけれど、
この数日間の面物語で色々な方からいただいたご意見をつなぎ合わせると、
一つの形として目指すべき「面」の将来形がイメージされてきたような気がした。

そんなことしているうちに朝稽古開始。
さっそく秋田県T君にお願いしてヒラリヒラリと翻弄されたのを皮きりに、
香川県I先生、静岡県Y先生、埼玉県M先生、徳島県K先生、東京都N先生ら6名に一気にお願いできた。

この朝稽古会は芋の子を洗うように混雑しているので
範士や高名な教士8段に掛かるためにできている列は別として
下座的な位置にできているその他の列は意外に位置取りが曖昧。
中でも特に列が曖昧な先生を狙って、前の方が終わる直前にさっさと立礼の位置を確保してしまえば、
ほとんど待ち時間なしに
どんどん稽古できる(ずるいけどね)。

稽古は7時30分に終了。

なんと、武徳殿の出口でS範士と遭遇(ラッキー)。
「昨日はありがとうございました。」とご挨拶すると
またも、範士「あれでエエんやぞ、あれで、あそこまで詰まったら、あれでエエんや、あとは打たれながら伸ばしていけ」とのこと・・・

あっ、その後半の「あとは打たれながら・・・」の部分は初めてですよね・・・
「打たれながら」なんですよね・・・

このようにして、
「『面』学びの螺旋」が出来上がったというKyoto2010のお話でした。

貴重なご意見をいただいた先生方、どうもありがとうございました。

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2010年05月11日

今年のKyoto(5月1日版「要領を知るべし」の巻)

ついにきた。
昇段試験の朝。

朝4時起床、
というか実は緊張感で眠れなかった。
5時頃まで寝床でごろごろしていたのだけれど、
我慢できなくなって京都の街中をジョギング。
30〜40分走ったろうか。
基本的なウオーミングアップとしては充分だった。

ホテルの大浴場で身を清めた後は出陣の準備。
朝食は抜き(少しでも体軽くしたかったから)。

8時、タクシーで会場入り。
8時30分〜9時、サブ道場でウオーミングアップ。
9時、受付開始。
9時30分、受験番号決定

10時、審査開始。
私は第2会場の後半だったので、約2時間の待機。
皆さんの立会いを拝見しているうちに、得体の知れない緊張感と脱力感と喉の渇きを覚える。
「あがり」の典型的症状なのでしょう。
これは「やばい」と苦しいときの神頼みならぬ呼吸法。
居合で習った丹田呼吸で腹圧をグングン高めて気と気持ちを収めた(つもり)。

私の会場の審査委員には何度も稽古をお願いしたことがある某範士もおられた。
ずっと眠そうに目をしょぼしょぼさせておられる。
「よし、某範士の目が覚めるような面打ってやる」と決意。
この瞬間から、頭の中は「面を決める」一色に・・・・・・

審査開始
お一人目。
お相手の身長は多分185cm以上か、私の大学の一番でかい学生よりまだ高い。
かなり良い気分で間合いを詰める、詰める、詰める。
そのとき、お相手が剣先を右に左に泳がせながら身を寄せてこられた。

あっ、嗚呼、あぁ〜、なんてことに・・・・

お互いに技を出すこともできず、間合いをきって、仕切りなおし。
この時点で、ややムカツイテしまった自分がいたようだ。(反省)
詰める、詰める、一瞬お相手の気勢が落ちた(気がした)ので
面、発動。
思い切り打ち抜いたら、胴返された。
あら、こんなはずでは・・・・
その後の展開は、お相手は小手―面と渡ってこられたのが二回。
これはさばいた(つもり)。
何故だかよく分からないけど、立ち上がりと同じように身を寄せてこられたのが二回。
終盤になって、お相手が「待ち」に入られたので、やや詰めて遠間から振り切りタイプの面発動。
胴に返される・・・・。
ややあって、時間。
つまり、私から打ち込んだのは面が2回だけで、それが決まらなかったという結果・・・

(いやぁ〜な気分で)お二人目。
身長は私と同じくらい(つまりやり易いということ)。
やり取りの展開に関する記憶があまりないので、記述できないけれど
私からは3回だけ打ちに行ったはず。
3回面打って、またしても2回胴かえされて、終了間際の3回目の面だけがドカンと決まった(つもり)ような記憶がある・・・
このお相手も、ご自分からは小手―面の渡りが2回・・・・

このような内容だから、当然、私の組からは一次試験合格者はなし。
かくして、私の昇段試験は終わりました。

午後

会場に見学に来られた大体大のS範士のお隣でご意見を伺う。
(範士はお昼に到着されたので私の立会いはご覧になっていない)
範士「どうやった?」
私「面・・・・、決まりませんでした・・・」
範士「どんな感じでやれた?」
私「ここ最近の稽古で先生にお願いしている時と同じような気分でやれたので充分だったように思うのですが・・・、みんな胴ばかり返されたんです・・・」
範士「・・・・・、ひょっとして、自分が面打ちたいから打っただけと違うか?」
私「あっ・・・・・、そうだったかもしれません・・・」
範士「整えて・(状況を)作って・打つ、ではダメなんや」
範士「そこよりもっと詰まったところで、知らん顔してパクッと打たなければダメなんや」
このようなやりとりの後、色々と具体的なご指導までいただきました。
S範士、ありがとうございました。
いただいた口伝は、「要領を知る」というキーワードにまとめて心の中に備忘させていただきます。

実はこのとき、S範士の傍らには翌日の審査を控えた徳島のHさんがおられ
ずっとわれわれの会話を「ふんふん、なるほど」と聞いておられた。
このHさん、翌日の審査で見事八段に合格した・・・・

その後、S範士や上越・糸魚川方面から到着した方々と一緒に
あれやこれやと楽しくおしゃべりしながら2次審査まで見取り稽古。

まぁ、とにかく試験は終わった。

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545.jpg

この夜
それなりの精神的ダメージは残しつつ
前夜になされた赤い提灯や看板の封印は簡単に解かれた。
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2010年04月04日

審判講習会がありました

平成22年度の第一回新潟県公認審判講習会がありました。

日時:平成22年4月4日(日)9:00〜13:00
会場:上越市カルチャーセンター
講師:教士8段 渡邊幹雄先生

渡邊先生は8段に昇段されて以来、
県内の行事の講師等でずいぶん活躍されています。
お体、無理なさらないように・・・

今回の講習会は、講話、審議員による模範(?)審判、公認審判審査、審判実習、合同稽古という内容で実施されました。

新しい試みは、審議員による模範(?)審判と合同稽古かな。

でも、上越地区の先生方は
大会や講習会の後で合同稽古することは普通なので、
合同稽古会の企画はあまり斬新ではありません。
稽古会の時間が30分と短かったので、
かえって不満で出たくらいでした。

今日の内容であらためて自覚を促されたことは

・審判旗は単なる器具ではなく審判の権威と責任を象徴するものであるから、その取り扱いは丁寧にすること。

・指導者は教え子が試合で反則を犯したならば自分の指導不足を恥じ、相手選手およびチームに申し訳ないという気持ちが持てるようになってほしいということ。

・所作、立ち振る舞いを正確にすること。

ということが印象に残りました。

また、先月に参加した大阪体育大学の合宿であった作道範士の講話で印象に残ったことは

・審判講習会の内容は、従来、審判の技術指導がその中心になっていたが、今後は、技術論に加えて(大会等の)運営論や(剣道発展の歴史性や価値をふまえた)文化論も考慮しなければならないということ。(私はこれに勝負論を加えたいと思います。大学院生の論文テーマになりそうですね・・・)

・スポーツ競技の勝敗は、記録、採点、判定のどれかによって優劣が決められるが、剣道は判定に基づく競技であること。そして、剣道は文化的側面からみて競技化するにはルール整備の難易度が高いので、競技化できないことを前提として、「有効打突」という幅のある基準を用いて競技化しているということを了解しなければならないという、フカイイ話・・・

以上(文責は私)です。


剣道の指導者と言われる立場にあって
審判に携わるとき、
我々は、
剣道の歴史的背景や歴史的価値を認識した上で
目の前で生じる打突に対して
どのような判定を下すのか ということを
常に問い続けていきたいですね。

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2010年04月03日

再び大阪へ

3月30日と31日に大阪T大学へ出稽古に行ってきました。

特に面白い話はないけれど、記録しておきます。

一人だとつまらないので、
いやがる大学院生と入学予定者2名を無理やり同伴させた。
その学生の車の運転で行ったので、なかなか快適な旅になった。
(高速道路が前夜の雪で凍結していて怖かったけどね)

30日
作道範士に稽古をいただく。
今月は3回目の挑戦・・・
一応、前回2回の賞味期限は切れていない(つもり)・・・

丹田に気を入れ(たつもり)
呼息を流し(たつもり)
肩の線を安定させ(たつもり)
左手を収め(たつもり)で掛からせていただいた。

「気」の流れが滞って、私の右手に「凝り」が起きると
小手をビシビシ打たれる。
こちらから仕掛けるやけくそ気味の面は
すべていなされて
気がついたら掛かり稽古、
いつものパターン・・・

範士から途中ストップの合図????
「見本見せてやるからお前受けろ」という合図だった。

学生や院生が目を丸くして見守る中、
範士の打ち込み稽古を受けさせていただいた・・・
これは貴重な体験になった。
足の引きつけと竹刀の振り上げ局面の素早さがとても印象的だった。私らの場合は2挙動になりがちな動作が1挙動になっている。

体の「出」と「送り」などは
60歳越えた人間のものではなかったなぁ・・・

そして、また私の掛かり稽古に交代・・・・・
見本を真似ようとしたら、
余計にプログラムエラーが起きてバラバラになってしまった。

作道範士、ご配慮いただきありがとうございました。
今回は「先の気を滞らせないように」というご指導をいただいた。


31日
神崎監督に稽古をいただく。
上越から同伴したO君やK君は、
稽古時間の前半に神崎監督からしっかり鍛えられていたようだ。

私の京都審査も近いので、
いつもより長めの稽古を
こちらが堪能するまでお付き合い願った。

いつも思うのだが
でかい畳が目の前に縦に立っていて、
それが押し寄せてくるような異様な圧力を出す人だ。
発声も打突音も やたらと大きい。
こちらからの打突は 平気な顔して弾き飛ばされる。

「ロボコップ」と戦っているようだった。

相変わらずさっぱり通じなかったけれど、
私の業前(仕掛ける前の手順)がだんだんと雑になってきたのを自分で感じたので
「参りました」して終了。

思えば、
春になると大阪へ出稽古するようになって10年以上たつけれど、「参った」するのはいつも私。

いつの日か、何とかなるのだろうか・・・・

その他、2日間で、佐賀から出稽古に来ていた後輩のI君と3回、助教、大学院生や学生の計15名に稽古が御願い出来ました。
二日間の出稽古としては、少し足りなかったかな。

4月からのロードは、
審判講習会、居合道強化合宿、少年大会、京都大会へと続きます・・・

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2010年03月19日

御嶽山に行ってきました

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大阪体育大学の女子部が長野県の御嶽山で春合宿を行っているということで、
私も女子学生3名を引率して日帰り遠征をしてきました。

日時:平成22年3月18日

早朝5時半出発。寒かった・・・、気温1度。
9時半、霊峰「御嶽山」にある大滝村体育館に着。

稽古 9:30〜12:00 
    作道範士の講話と基本指導
  14:00〜17:30 
    作道範士の審判法指導と試合および指導稽古と
    おなじみの長時間掛かり稽古
  18:00 御岳発 
  22:00 上越着


午前中の体育館も寒かったが、午後からは吹雪いてきて、春合宿というより寒稽古の環境になってしまった。
遠くは八条島や島根県から参加されていた先生方もおられたので、あまりの寒さに驚かれたことだろう。

この日は小久保教士に2回、作道範士に1回、森岡監督に1回、地元の先生方3名、学生8名と稽古御願いしてきました。
合計70段は越えたかな・・・

あのように寒い環境は筋肉も冷えやすいので、怪我が起きやすい。
先日、知り合い(ベッカムじゃないよ)がアキレス腱を切ったので、
自分もそんなことになったらこまるなぁなどとビビリながら作道範士に掛からせていただいた。

覚書(メモだけで整理してません)

・切り返しで下がった時の足は、構え時の足構え。そこから一拍子で打つことによって体を錬る、構え力をつける。(これは用心して稽古しないと、未鍛錬者はアキレス腱を切る・・・)

・肩の線を崩さない。

・起こりを消して打ち切る。

・攻め合いの中で構え力が落ちてきたとき、そこでさらに呼吸と気を入れる。

・相手の剣先に常に働きかける。

・いつでも打つぞという体勢を示す構え力。

・構え時の流れ(範士より口伝をいただきました、構えも修正していただきました。)

・小手を打たれない面(小久保教士にご指導いただき、打ち込み稽古まで受けていただきました。)

審判法についての講話も深い内容があったのですが、
今年4月の審判講習会の様子をみてから整理したいと思います。

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お昼に村の食堂で食べた「猪豚丼」
「美味しい〜」と学生が絶賛していました。
確かに「猪豚」美味しかった・・・
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2010年03月07日

予選会と講習会がありました

今日は出来事を掘り下げる時間もないので、ただの覚書・・

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全国都道府県剣道大会と国体に向けての予選会がありました。

日時:平成22年3月6日(土)
時間:9:00〜15:30

この日は、お昼ごはんを食べる時間も与えられず、
ずっと予選会と稽古会。
朝6時におにぎり食べただけだったので、
午後からは空腹感が強くてちょっと辛かった。

私の試合は2試合しかありませんでしたが、
稽古会では松永範士、梯範士、渡邊(幹)教士、山崎(尚)教士に御願いできました。
でも、ほとんど掛かり稽古状態だったけどね・・・

夕方からは懇親会もあり、
山崎先生から昇段試験の心構えなどをお聞きして、とても参考になりました。
(似たような経歴と自力をもつ受験生が、これまた整った着装と立派な構えをとって攻め合っている時に、如何にして自分が抜きん出て目立つかという工夫)
なるほどと思わせるものがありました。

この日は朝からの絶食状態のすきっ腹でお酒のんだので、
早めに酔ってしまい
懇親会後はホテルで爆睡。


そして次の日は、
剣道6〜8段受験者講習会がありました。

日時:平成22年3月7日(日)
時間:9:00〜16:00

早朝から、みぞれ混じりの雨でとても寒い一日でした。

8段受験者20名、7段受験者80名、6段受験者80名といった規模の講習会。

講師は、前日から新潟入りされていた松永範士、梯範士、東(一)教士。
オブザーバーとして愛知から東先生に同行された山崎(尚)教士も加わってくださりました。

内容は、講話、剣道形、模擬立会、合同稽古と粛々と進み、
あっという間に夕方になってしまいました。

この日の私のお土産は、
松永範士から頂いた「蝕刃の間合からの打突に移行するまでの工夫」の必要性と「先の技と応じ技の配分」かな・・・

色々得るものがあった二日間だったので、
家に帰ったらワインでも飲みながら感慨にふけろうと
スーパーでワインを買ったのですが、
駐車場で買い物袋を落としてしまい
ワインのビンを割ってしまいました。もうやだ〜(悲しい顔)

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2009年11月06日

誰にでもできること

「誰にでもできることを、誰にもできないくらいやれ」
11月3日に今年度の全日本剣道選手権者となった内村良一選手(29)の学生時代の恩師である森島健男範士の言葉だそうだ。

新聞で紹介されていた言葉なのだが、
修行者としての究極の心がけとして胸を打つものがあった。

また、今年の夏には、ある方から「手習いは坂に車を押すが如し」という戒めの言葉もお聞きして、感銘を受けた。


11月3日は寒波の影響で朝から氷の粒で路面が真っ白になった。

この日は、他では大会が行われていたようだが、お誘いもなかたので、大学で合同稽古を行った。

大学生6名、修道館等一般部6名、子ども3名と私。
手習いは坂に車を押すが如し・・・、機会さえあればコツコツと。

11.3m.JPG

約1時間半は、攻め込みと出端業の稽古。
旺盛な気力を養い、
業前の攻め込みを工夫し、
真っ向から割る、
あるいは起こりを押さえる。
そして、攻防の結果を一本ごとに吟味する。
という
誰にでもできることを、誰にもできないくらいやれたかな。
量的にも、質的にも・・・

最後は30〜40分の互角稽古。
先週の反省から
切り落としを意識して、左拳の位置を微調整。
空間のあるポジションに左手を収めることで「切り落とし」ができることを確認。
それより低ければ逆に切り落とされるし、高ければお相手の拳とクラッシュしたりすることも確認。

ある方によると、
「切り落とし」には、ポジション型とグリップ型があるらしい。
私はその違いはよく知らないけどね・・・


午後はテレビで全日本剣道選手権の観戦。
優勝は先述の内村選手。
おめでとうございます

テレビでは、全選手に共通して
竹刀を鞭のようにしならせながら打突部位に竹刀先端を放り込む技術が目立った。
ふ〜ん・・・

刀の観念を重視するならば、
剣道は縦の線の一刀両断とその攻防が必須だと思う。

でも、選手の動きが高速化する中で、お互いの防御技術が高いので、その隙間に竹刀先端を入れることが出来なければ勝負が成り立たないということか。

多彩で止まることのない足さばき、ジャブのような小手打ちや中間間合での面。(ボクシングみたいだ、私は好きじゃないけどね。)

その他、竹刀先端がコントロールポイントになっているから、右手支点による操作と長い柄。そのため、竹刀先端はらせん状の軌跡が多いのも特徴だと思った。


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2009年06月16日

新潟県女子剣道講習会2009

6月13日、上越市高田スポーツセンターにおいて第3回新潟県女子剣道講習会が開催された。

参加者は県内各地から約60名。

講師は、トキめき新潟国体の強化指定選手の指導も行っている藤原崇郎範士が担当された。

午前中は講話と剣道基本技稽古法、午後は基本打突をさらに洗練するために手の内や足さばきについての掘り下げた指導が行われた。

私は午前中は長岡市で学校剣道連盟の全国教職員大会県予選と総会に出席したので、講習会には午後から参加させていただいた。

参加といっても、女性を対象とした講習会なので、私は剣道着(いまだにうっかりすると「稽古着」と言いそうになる)に着替えて見取り稽古と最後の指導稽古の時だけ講習生の方々の稽古相手をさせていただいた。

藤原範士のこの日の指導で印象に残ったことは
面や小手、あるいは小手・面を打つ時の手の内における「掌中の作用」の解説と実演。

「手の内は見せない」という言葉にもあるように、打突の際の手の内の使い方は剣道における秘伝に該当することなので、一般には講習会においてあそこまで公にされることはあまりないと思う。

へぇ〜、そこまで教えちゃうのかと思うほど掌中の数センチの絞込みやアソビの利用について詳しい解説がなされた。

これは、竹刀の持ち方がドラえもん握りの人には絶対できないことなのだが、竹刀保持の基本ができていると思われる受講生は、実習中に打突が実に洗練されてきてシャープになるのが見て取れた。

この日、受講した方は本当にラッキーだったと思う。
私も手の内の絞込みの方向についての気づきがあったのでラッキーだった。

夜はM田屋旅館で藤原範士を囲んで美味しい料理をいただきながら剣道談義。
その日に講習会を受講した女性陣の感想がそれぞれとても真剣に披露されるなどもあって、単なる飲み会に終わらなかったので、とても有意義なひとときを過ごすことができた。
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2009年02月28日

剣道形を勉強するための要約9(小太刀の部)

2月中にまとめることができました。
やれやれ。

小太刀はイッキに三本分アップします。


◎太刀の形から小太刀の形へ移る場合の所作
仕太刀は後ろ退りに小太刀の置いてある位置に至り、下座側の膝をついて太刀を置き、小太刀を持ち、立ち上がって立会の間合にもどる。打太刀は、仕太刀が立会の間合の位置にもどり始めた頃に、立ち上がって待つ。

小太刀一本目

1. 打太刀は、諸手左上段、仕太刀は(1)中段半身の構えで、打太刀は左足から、仕太刀は右足から、(2)互いに進み間合に接したとき・仕太刀が(3)入身になろうとするので、打太刀は右足を踏み出すと同時に、諸手左上段から、仕太刀の正面に打ち下ろす。

(1)中段半身の構えは、右足をやや前に出し左肩を引いて、剣先をやや高く構える。(剣先は打太刀の顔の中心の高さにとる)
(2)3歩進む。
(3)入身とは、気勢を充実して、相手の手元に飛び込んでゆく状態をいい、入身になろうとするので、ということから形に表さない。

2. 仕太刀は、右足を右斜め前に、左足をその後ろに進めて、体を右に開くと同時に、(4)右手を頭上に上げ、刃先を後ろにし、左鎬で受け流して打太刀の正面を打ち、左足から1歩ひいて(5)上段にとって(6)残心を示す。

(4)五指で強く握っていると、左鎬での受け流しが難しいので、手の内をゆるめる
(5)
イ.上段をとるとき、剣先を顔の中心につける必要はない。
ロ.右拳は額の前上におき、剣先は約45度上方に向く。
(6)確実に正面を打ってから、残心を示す。(反射的にとらない)

3. その後、(7)いったんその場で相中段になってから、打太刀、仕太刀ともに、左足から刀を抜き合わせた位置にもどり、(8)剣先を下げて元の位置にかえる。

(7)小太刀の一本目だけ、その場で相中段になる。
(8)小太刀の構えの解き方は、左手を左腰から下ろし、剣先は相手の体からわずかに外れるように下げ、刃先は左斜め下に向ける。



小太刀二本目

1. 打太刀は下段、仕太刀は(1)中段半身の構えで、互いに右足から進み間合に接したとき、打太刀は、守る意味で、下段から中段になろうとする瞬間、仕太刀は、打太刀の刀を(2)制して入身になろうとするので、打太刀は、右足を後ろにひいて(3)脇構えにひらくのを、すかさず、仕太刀が、再び(4)中段で入身になって攻めてくるので、打太刀は脇構えから変化して諸手左上段に(5)振りかぶり、右足を踏み出すと同時に仕太刀の正面に(6)打ち込む。

(1)剣先は、やや低く構える。(剣先は打太刀の胸部の高さにとる)
(2)制して入身になるときの刃先は、斜め右から下へと変化する。
(3)大きくとらないで、剣先をすばやく右斜め下にして脇にとる。
(4)(2)を受けて、右足から1歩進め(左足もともなう)、中段となり攻め込む。(剣先は咽喉の高さとする)
(5)上段に振りかぶる程度は、両腕の間から相手の体が見えるくらいである。
(6)
イ.斜め打ちにならないように、打ち込む。
ロ.脇構えから上段、打ち込みの動作は、一連のつながった動作として変化する。

2. 仕太刀は左足を左斜め前に、右足をその後ろに進めて、体を左にひらくと同時に、右手を頭上に上げ、刃先を後ろにし、右鎬で受け流して面を打ち、打太刀の(7)二の腕を押さえて腕の自由を制すると同時に、右拳を右腰にとり、刃先を右斜め下に向け、剣先を咽喉部に(8)つけて残心を示す。

(7)関節よりや上部を上から押さえて、腕の自由を制する。
(8)延長である。(三本目も同じ)

3. その後、打太刀は左足から、仕太刀は右足から相中段になりながら刀を抜き合わせた位置にもどり、剣先を下げて元の位置にかえる。



小太刀三本目

1. 打太刀は(1)中段、仕太刀は(2)下段半身の構えで、打太刀は立会の間合から、右足、左足と進み、次の右足を踏み出すとき、仕太刀が入身になろうとするのを中段から諸手右上段に振りかぶって、仕太刀の正面に打ち下ろす。仕太刀は、その刀をいったん(3)すりあげて打太刀の(4)右斜めに(5)すり落とす。

(1)下段に対して、剣先は下げない。
(2)左肩をひいて、半身となる。
(3)立会の間合から右足、左足と進み、つぎに右足を踏み出して、入身になろうとするとするところを正面に打ち下ろされるので、この刀をすり上げて、すり落とす。
(4)力の加滅によって、右斜め後方にすり落とされることもあるが、一応右斜めということで表現する。
(5)仕太刀の剣先は、打太刀の体からやや外れる。

2. 打太刀は、直ちに左足を踏み出し仕太刀の右胴を打つ。仕太刀は左足を左斜め前に踏み出し、体を右斜めにひらくと同時に、胴に打ってくる打太刀の刀を、(6)左鎬ですり流し、そのまま左鎬で、打太刀の鍔元に(7)すり込み、小太刀の刃部のはばきで打太刀の鍔元を押さえて、入身になり、打太刀の(8)二の腕を押さえる。

(6)手首を柔らかくして、右拳をすり落とした位置からは横一文字に腹部の前を移行して(高く上がらぬように)右に運び、すり流す。
(7)
イ.手首を起こして、仕太刀のはばきが打太刀のはばきに直角になるようにすり込む。
ロ.すり込み終わったとき、仕太刀の鍔元が打太刀の鍔元と接するようにして押さえる。小太刀と太刀とは、おおむね十文字に交差させる。
(8)関節よりやや上部をやや横より押さえ、腕の白由を制する。

3. 打太刀が(9)ひくので、仕太刀はそのまま攻めて、2,3歩進み右拳を右腰にとり、刃先を右斜め下に向けて,剣先を咽喉部につけ、残心を示す。

(9)打太刀は、左斜め後方に右足、左足、右足と引くので、仕太刀は左足、右足、左足と歩み足で3歩進む。

4. そのあと、打太刀は右足から仕太刀は左足から相中段になりながら刀を抜き合わせた位置にもどる。この場合、小太刀の形が終わるので、蹲踞して互いに刀を納めて立会いの間合にかえり(10)、立礼をして終わる。

(10)
イ.立会の間合にかえったら、腰から刀を脱し右手に持ち、提げる。木刀の場合、体の中央で左手から右手に移行し、両手を自然に提げ立礼をする。
ロ.腰から刀を脱する要領は、左手で刀をわずか右前に押し出しながら、右手を左手の内側におくる。右手の人差し指を鍔にかけて、残り四指で鯉口近くを握る。左手左帯におくり、右肘を伸ばして、脱刀する。

最後の礼は最初の礼と同じである。最後の礼は、まず互いに礼をし、次に上座に向かって礼をして、最初に下座で行った座礼の位置にもどり、互いに礼をして退場する。


◎終りの作法

 打太刀は、座礼の方向を向き、まっすぐに座礼の位置に行く。
 仕太刀は、太刀の置いてある場所に後ろ退りに行き、下座側の膝をついて太刀をあわせ持ち(左手を用いてもよい)、次に立ち上がって座礼の位置に行く。
 両者向き合って同時に座る。
 座礼をして立ち、打太刀を前にして退場する。





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2009年02月27日

剣道形を勉強するための要約8(太刀七本目)

太刀の部の最後です。ふぅ。

太刀七本目

1. 打太刀、仕太刀相中段で、互いに右足から進み、間合に接したとき、打太刀は機を見て、1歩軽く踏み込み、刃先をやや仕太刀の左斜め下に向けて、鎬ですり込みながら、諸手で仕太刀の(1)胸部を突く。仕太刀は、打太刀の進む程度に応じて、左足から体をひくと同時に、(2)諸手を伸ばし、刃先を左斜め下に向け、物打ちの鎬で打太刀の(3)刀を支える。

(1) 打太刀は、気勢をこめて正しく突く。(気当り)
(2) 突きの気勢で諸手を伸ばす。そのときの気位は五分である。
(3) 双方の剣先はやや、上がり、交差した物打の高さはおおむね肩の高さとなる。

2. 互いに(4)相中段になり、打太刀は、左足を踏み出し、(5)右足を踏み出すと同時に、体を捨てて諸手で仕太刀の正面に(6)打ち込む。

(4) 相中段となるとき、双方の気勢は、五分五分であることが大切である。
(5) 左足を踏み出しながら振りかぶり、右足を踏み出して打ち込む。
(6)
イ.捨身で打ち込むので、体はやや大きく前傾する。
ロ.このとき、打太刀の目付けは離れるが、打ち終わって直ちに仕太刀に向ける。
ハ.斜め前に出て打ち下ろさないように、まっすぐに前に出て打ち下ろす。

3. 仕太刀は(7)右足を右前にひらき、(8)左足を踏み出して(9)体をすれ違いながら諸手で、打太刀の右胴を打ち、右足を踏み出し左足の右斜め前に軽く右膝をついて、爪先を立て左膝を立てる。諸手は十分に伸ばし、(10)刀は手とほぼ平行に右斜め前にとり、刃先は右に向ける。

(7)この場合、上体は移動しない。
(8)右前に踏み出す。
(9)このとき、仕太刀の体は変化するが、目付けは相手から離さないようにする。
(10)刀はほほ右腕の延長上とする。

4. (11)その後、刀を返して脇構えに構えて、残心を示す。打太刀は、上体を起こして、刀を(12)大きく振りかぶりながら、右足を軸にして、左足を後ろにひいて、仕太刀に向き合って、剣先を中段につけ始めるので、同時に仕太刀も、その体勢から(13)刀を大きく振りかぶりながら、右膝を軸にして左に向きをかえて、打太刀に向き合い、剣先を中段の程度につける。

(11)すれ違いに胴を打ち終わってから、節度をつけて脇にとり、残心を示す。
(12)いったん、脇構えになってから振りかぶるのではなく、体を起こしながら振りかぶる。
(13)脇にとった刀を大きく振りかぶりながら、右膝を軸にして、右足を右に移して打太刀に正対する。

5. つづいて仕太刀が十分な(14)姿勢で立ち上がってくるので、打太刀は左足から後ろにひきながら、相中段になり、さらに互いに縁が切れないようにして打太刀、仕太刀ともに左足から、刀を抜き合わせた位置に(15)もどる。

(14)打太刀・仕太刀とも縁を切らず、剣先をまじえた後、打太刀は、仕太刀を引き起こす気持ちで左足から後に引き、それに応じ仕太刀は、十分な気勢で立ち上がる。
(15)歩み足でもどる。

6. 七本目の場合は、いったん太刀の形が終わるので蹲踞して互いに刀を納めて立ち会の間合にかえり、(16)立礼して終わる。

(16)つづいて小太刀の形を行なう場合、打太刀は、仕太刀が小太刀に取りかえる間、蹲踞して待つ。このとき、太刀を右手に持ったままで、柄頭を内にして右腿にたくす。

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2009年02月26日

剣道形を勉強するための要約7(太刀六本目)

うーん、まだ6本目。
まとめるのも結構大変です。

では
太刀六本目 

1. 打太刀は(1)中段、仕太刀は下段で、互いに右足から進み、間合に接したとき、仕太刀は機を見て下段から打太刀の両拳の中心を攻める気勢で、中段に上げ始めるので、同時に打太刀も、これに応ずる心持ちでやや(2)剣先を下げて、仕太刀の刀と(3)合おうとする瞬間、右足をひいて諸手左上段に振りかぶる。

(1)仕太刀が、下段になっても剣先は下げない。
(2)刃先を、右斜めにしない
(3)仕太刀の気勢を、押さえることができないので上段に構える。

2. 仕太刀はすかさず中段のまま大きく右足から(左足もともなって)(4)1歩進む。打太刀は(5)直ちに左足をひいて中段となり、(6)機を見て仕太刀の右小手を打つ。

(4)進むとは、攻め進むことで、進んだとき、剣先を打太刀の上段の左拳につける。
(5)
イ.打太刀は、攻められるので直ちに中段となる。
ロ.仕太刀も、これに応じて中殿となる。
(6)
イ.打太刀は仕太刀からたえず攻められるので小技で右小手を打つ。
ロ.小技の小手打ちである。

3. 仕太刀はその刀を、左足を左にひらくと同時に、小さく半円を描く心持ちで、右鎬で(7)すり上げ、右足を踏み出し、打太刀の右小手を(8)打つ。

(7)すり上げ小手が、払い小手にならないよう注意する。
(8)手の内を利かせて、小さく打つ。

4. 打太刀は(9)剣先を下げて、左足から左斜め後ろに(10)大きくひくので、仕太刀は左足を踏み出しながら、諸手左上段に振りかぶり残心を示す。

(9) このときの刃先は、右斜め下を向く。剣先はやや下段より低めの高さまで落とす。
(10) 正対しないで、引く。

5. 打太刀、仕太刀ともに右足から相中段になりながら、刀を抜き合わせた位置にもどり、剣先を下げて元の位置にかえる。


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剣道形を勉強するための要約6(太刀五本目)

太刀五本目 

1. 打太刀は諸手左上段、仕太刀は(1)中段で、打太刀は左足から仕太刀は右足から、互いに進み、間合に接したとき、打太刀は機を見て右足を踏み出すと同時に諸手左上段から、仕太刀の(2)正面を打つ。

(1)仕太刀の左拳(手元)は、やや前に移行して構え、剣先は打太刀の上段の左拳につける。
(2)顎まで切り下げる心持ちで、打ち下ろす。

2. 仕太刀は、(3)左足からひくと同時に左鎬で打太刀の刀を(4)すり上げ、右足を(5)踏み出して正面を打ち、右足からひきながら諸手左上段に振りかぶって(6)残心を示す。

(3)右足もともなう。
(4)
イ.すり上げは、両腕の間から相手の身体が見える程度に行なう。なお、払い面にならないよう注意する。
ロ.すり上げは、頭上まで十分引きつけて行う。なお、このとき剣先が下がらないようにする。
ハ.すり上げられたとき、打太刀の刀は死に太刀となり、構えを解いた程度まで落ちる。

(5)左足もともなう。
(6)剣先を顔の中心につけながら、右足を引く。

3. 打太刀が剣先を中段につけ始めるので、同時に仕太刀も左足をひいて剣先を中段に下ろし、相中段になる。打太刀は左足から、仕太刀は右足から小足3歩で、刀を抜き合わせた位置にもどり、剣先を下げて元の位置にかえる。

以上
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